マーケット・アウトルック 中国株式

当局の景気対策への期待もある一方、景気悪化への警戒が続く

POINT

  • 2022年10月頃までの中国株式市場は様々な重荷を警戒
  • 同年11月以降は、ゼロコロナ政策、大手企業への規制が緩和されたことを好感
  • 2023年2月以降は、景気悪化への警戒などから下落基調

2022年の中国株式市場は大きく調整してきました。要因は多数あり、米中間の通商問題、中国当局による大手企業への規制、マンション工事中断に揺れる住宅問題、そして、厳格なゼロコロナ政策など、複合的な重荷を警戒してきました。そして、同年10月に中国共産党大会が開かれ、新たな指導体制が決まった後もゼロコロナ政策が堅持されると、中国株式には売りが殺到しました。

しかし、2022年11月にはゼロコロナ政策に部分的緩和の兆しが見え始め、その後、市民の抗議活動の激化などもあり、12月には更なる緩和が進みました。大手企業への規制も徐々に緩和され、これまでの警戒が後退し、株式市場は急速に回復しました。

2023年2月以降の中国株式市場は、上下動を繰り返しながら再び下値を切り下げました。2月は米国上空を飛行した気球問題が重荷となったほか、3月には欧米での金融システム不安から世界的にリスク回避的となったことで売り優勢となり、水準を切り下げました。夏以降は、中国当局による景気対策への期待がある一方、不動産業界の信用不安などから中国景気悪化への警戒が高まっており、下落基調が続いています。しばらくは、中国景気動向を注視する必要がありそうです。


期間:2022年1月3日~2023年12月29日、日次

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(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト

阪井 徹史

Tetsuji Sakai

マーケット・アウトルック

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