米国株式市場は米高金利政策の長期化懸念から調整
POINT
- S&P500は昨年10月半ばに2022年初来安値更新後、リバウンド傾向へ
- 昨年末からFRBが利上げペースを減速させ始める
- 堅調な米景気などが株価を押し上げるも、足元は長期金利上昇で調整
2022年初から調整を続けてきた米国株式は昨年10月半ばに年初来安値を付けましたが、その後、大幅に反発、足元ではハイテク株中心に昨年前半水準へ戻り基調にあります。
昨秋以降に大幅に反発した要因は、米インフレが落ち着いてきたことなどから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペース減速期待の浮上、および、実際に12月に減速させ始めたことです。そして、政策金利の引き上げが続いている一方で市場金利である米国債利回りが政策金利のように上昇せず、レンジ内で推移したことで、株式の債券に対する相対的な割高感がやや改善したことも株価反転の材料となりました。
今春以降も上昇基調が続き、3月には欧米での金融システム不安で、5月下旬には米連邦債務上限問題への警戒などで調整する場面もありましたが、米景気が底堅く推移していることや、米企業業績が予想ほど悪化していないことなどに一定の安心感が広がり、7月末にかけて総じて堅調に推移しました。しかし、8月以降はインフレ高止まりへの警戒や、それに伴う米高金利政策の長期化懸念から、米10年国債利回りが再上昇、4.5%を超えてきたことを受け、調整しました。
期間:2021年10月1日~2023年9月29日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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