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カズレーザー「ETFが株と投信の良いとこどりってホント?」
にプロがズバリ回答。

2024年から始まる新NISAでは、年間投資枠が拡大し、さらに非課税で保有できる期間が無期限になるなど、投資家にとって嬉しい拡充が図られています。そんなパワーアップした新NISAの投資先として注目されるETFですが、「ETFってよく聞くけど、いまいち分からない」という方も多いでしょう。そこでご自身も投資に興味を持つカズレーザーさんがETFのプロに率直な質問をぶつけます。

プロフィール

渡邊 雅史(わたなべ まさふみ)

ETF事業戦略部 部長

2023年4月より現職。2021年に野村アセットマネジメントにチーフETFストラテジストとして入社。ETFの市場分析や運用戦略の立案などに従事。野村アセットマネジメントに入社以前は、ブラックロックにてポートフォリオマネジャーを務めた後、ウィズダムツリー、バンガード等でETFストラテジストを歴任。慶應義塾大学総合政策学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス修士。

2023年4月より現職。2021年に野村アセットマネジメントにチーフETFストラテジストとして入社。ETFの市場分析や運用戦略の立案などに従事。野村アセットマネジメントに入社以前は、ブラックロックにてポートフォリオマネジャーを務めた後、ウィズダムツリー、バンガード等でETFストラテジストを歴任。慶應義塾大学総合政策学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス修士。

ETFは株式と投資信託の良いとこどりの商品

カズレーザー
そもそも、ETFってなんでしたっけ?
渡邊
ETFは「Exchange-Traded Funds」の略で、日本語では「上場投資信託」、つまり、ETFは株同様に上場している投資信託で、株式と投資信託の良いとこどりの商品と言われます。
カズレーザー
どういう点が、「良いとこどり」なんですか?
渡邊
まず株式は、取引時間中であれば株式市場でいつでも売買することができます。一方、投資信託は、投資家の皆さんから集めた資金を運用の専門家が株式や債券などの銘柄を選択して運用します。1つの投資信託で手軽に分散投資できるのが特徴です。ETFは、1銘柄で投資信託のように分散投資できるのに、株式のように市場で手軽に売買できるんです。
カズレーザー
投資信託と同じく分散投資できるのは分かったんですが、それが株式市場で売買できると何が良いのでしょうか。
渡邊
投資信託と比べたETFの大きな特徴になりますが、ETFは値段を見ながら売買できます。投資信託の場合、投資家は売買する時点では値段がわからないので、「思ったよりも高い価格で買ってしまった(安い価格で売ってしまった)」ということもあり得るんですね。
一方、ETFの場合は、株価の推移をスマホやパソコンで見ながら、ここだと思ったタイミングで売買をすることができますし、自分が売りたい価格を指定する「指値注文」もできます。
カズレーザー
なるほど、投資信託なのに価格を見ながら好きなタイミングで売買できるというのは、まさに良いとこどりですね。その他にも、ETFと投資信託の違いはあるんでしょうか?
渡邊
投資信託は、販売する金融機関によって取り扱う商品が異なりますが、ETFは上場しているため、基本的にどの証券会社でも同じ商品が買えます。また、株式同様、信用取引ができたり、証券会社によっては貸株サービスも利用できます。

ETFと株・投資信託の違い

(※1)信用取引銘柄に限ります。
(※2)各証券会社が対象とする銘柄に限ります。
(※3)売買手数料及び購入時手数料は証券会社や販売会社によって異なります。
(※4)信託財産留保額のない投資信託もあります。
(出所)野村アセットマネジメント作成

定番のインデックス型から話題のアクティブ型まで

カズレーザー
株式市場にはどれくらいの数のETFが上場しているんですか?
渡邊
東京証券取引所に上場している国内ETFだけでも2023年9月時点で278銘柄あります。
カズレーザー
そんなにあるんですね。どんな種類があるんですか?
渡邊
さまざまな分類法がありますが、まず押さえておきたいのが、運用手法により「インデックス型ETF」と「アクティブ型ETF」の2種類に分かれることです。
前者はTOPIXや日経平均など特定の指標(インデックス)への連動を目指すもので、ほとんどのETFはインデックス型です。後者は、日本では今年9月に登場したばかりで、特定の指標に連動しないETFです。ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が、調査や分析をもとに投資する企業を選んで積極的にリターンの獲得を狙うなど、より自由に運用されます。
カズレーザー
プロが調査を基に選んだ企業に投資できるのは魅力的な気もしますが、アクティブっていうと、ちょっとリスクが高そうなイメージがありますね。
渡邊
アクティブ型ETFだからリスクが高い、という訳では必ずしもありません。アクティブ型でも一定のルールに従って運用する比較的リスクが低いものもありますし、インデックス型でも、レバレッジタイプや新興国株等、相対的にリスクが高いものもあります。インデックス型の場合は指数の特徴を、アクティブ型の場合は運用方針等を確認することが重要です。
カズレーザー
本当に色んな種類のETFがあるんですね。贅沢かもしれませんが、選択肢がありすぎてどう選んだらいいか分からなくなってきました。。。(笑)
渡邊
銘柄選びは人それぞれですが、例えば、コア・サテライト戦略で考えてみるのもよいと思います。
カズレーザー
コア・サテライト、、、なんだか面白そうですね。
渡邊
この図を見てもらうとイメージしやすいと思います。
※イメージ図です。
(出所)野村アセットマネジメント作成
渡邊
自身の資産を、長期的に安定した成長を狙って運用していく守りの資産「コア」と、積極的にリターンを狙ったり、自分の好きな銘柄を選んだりする攻めの資産「サテライト」の2つに分けて運用するという戦略です。
ETFで考えると、コア資産はTOPIXやS&P500等市場全体に投資するインデックス型のETFを中心として、サテライト資産は高配当にテーマを絞ったり、リスクは多少高くなっても成長が期待できるNASDAQ-100やインド株等の指数に連動するインデックス型ETFや、運用戦略に共感できるアクティブ型ETFを利用したりするのが良いと思います。
カズレーザー
商品選びは奥が深そうですね。もう少し詳しく聞きたいです。