株価上昇に後押しされる金融セクター
POINT
- 過去2年間の金融セクター株価はTOPIXに概ね連動
- 2023年秋以降の金融セクター株価はTOPIXを上回り始める
- 2024年は株価上昇や資本市場の活況に期待したい
下図に見られるように、TOPIX-17金融(除く銀行)セクター(以下、金融セクター)のパフォーマンスは、過去2年間ではTOPIX(東証株価指数)に概ね連動しており、2023年秋頃まではほとんどTOPIXとの差はありませんでした。金融セクターのサブセクター構成比(2023年12月末時点)は、「保険業」が約半分、リースや取引所などの「その他金融業」が4分の1程度、そして、2割弱が「証券、商品先物取引業」です。
「証券、商品先物取引業」は日本株等資本市場の活況が直接的にビジネスに好影響を与えるため、株式市場が上昇するとパフォーマンスは追い風を受けやすくなります。「保険業」は株式等の金融資産を大量に保有していることで、同セクターも株式市場の上昇がファンダメンタルズに好影響をもたらします。「その他金融業」では、取引所は日本株の活況の影響を受けるし、リース業も自己資産で株式投資を行なっている傾向があるため、株式市場の上昇は追い風です。
日本株をはじめとした資本市場は堅調に推移しており、当面の間については、金融セクターはTOPIXを上回るパフォーマンスとなることが期待されます。
期間:2022年2月1日~2024年1月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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