世界で注目される投資の潮流 ESG投資ETF

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昨今、環境や社会問題、ガバナンスへの取り組みを評価して投資先を選ぶ「ESG投資」が広がっています。NEXT FUNDSシリーズでは、国内外合わせ4銘柄のESG投資ETFをご提供しています。

ESG投資とは

ESG投資とは、従来の財務状況だけでなく、環境 (Environment)、社会 (Social)、ガバナンス(Governance) 要素も考慮した投資のことを指し、持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。E(環境)は地球温暖化対策、水資源保護等、S(社会)は労働環境改善、女性活躍推進等、G(ガバナンス)は法令順守や情報開示等が挙げられます。

ESGとは

(出所)各種資料を基に野村アセットマネジメント作成

ESG投資が広まったきっかけ

ESG投資は、2006年に当時の国連事務総長のアナン氏が「責任投資原則」(PRI=Principles for Responsible Investment)を提唱したことがきっかけで、認識され始めました。

責任投資原則(PRI)は、環境、社会、ガバナンスの観点を投資プロセスに取り入れることを機関投資家に求めるもので、2008年のリーマン・ショック後の資本市場において短期的な利益を目指す投資スタイルへの反省や批判が高まり、世界の機関投資家が署名するようになりました。

2023年末時点で、世界の署名機関数は5,370機関にまで増加しており、日本ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を含む128機関が署名しています。

ESG課題に取り組む企業は、社会的課題も解決していくことで社会貢献と同時に収益の確保も見込まれると考えられ、有望な投資先として期待されています。

ESG投資の手法

ESG投資には、色々な手法があります。ESG投資を推進する非営利団体の世界持続的投資連合(GSIA)が定義するESG投資手法は、世界的な分類基準として利用されています。ESG投資を検討するにあたり、どのような手法が用いられているかを確認する際の参考にするとよいでしょう。

【図表1】ESG投資の7つの手法

ネガティブ・スクリーニングESGに関する評価基準を定め、基準に満たない国・セクター・企業等を投資対象から除外する投資手法
ポジティブ・スクリーニング同種の業界、あるいは投資対象の中でESG関連の評価が相対的に高い企業等に投資する手法
規範に基づくスクリーニングESG分野での国際基準に照らし合わせ、その基準をクリアしていない企業等を投資先リストから除外する手法
ESG統合従来の財務分析だけでなく、ESGなどの財務分析だけでは見えない要素も、投資判断のプロセスに組み込む投資手法
サステナブル・テーマ投資サステナビリティに貢献し得るテーマや企業等に投資する手法
インパクト投資社会・環境に貢献する技術やサービスを提供する企業等を投資対象とし、投資収益に加えて社会や環境に測定可能なポジティブ・インパクトを与えることを目的とする投資手法
エンゲージメント・議決権行使投資家として企業や発行体に対して中長期的な視点から経営の改善等について対話する手法


(出所)Global Sustainable Investment Associationのデータより野村アセットマネジメント作成

世界で広がるESG ETF

ETFの専門調査機関ETFGIによると、ESG関連銘柄に投資する世界のETFは図表2のように推移し、2023年11月末には純資産残高は約4,800億ドルとなり、2018年末からの約5年間で11倍にも膨れ上がっています。


【図表2】世界のESG関連ETFの純資産総額と商品数推移

世界のESG関連ETFの純資産総額と商品数推移

期間:2013年~2023年11月末、年次
(出所)ETFGIより野村アセットマネジメント作成

なお、GSIAが発表している報告書によると、2022年の世界のESG投資残高は約30兆ドル超と、初めて減少に転じたと発表されました。

日本や欧州、オセアニア等全体としては伸びましたが、2020年に最大規模であった米国が、前回から51%減少しました。これは、「グリーンウォッシング(実際の運用プロセスは不十分であるがESG投資家に誤解させること)」を防ぐために米国が調査手法を厳しくしたこと等が要因とされています。

日本でも、金融庁によるESG投信に関する監督指針が改正される等、ESG投資の定義や調査手法については今後も変化していく可能性があります。


【図表3】ESG投資残高の推移(2018年~2022年)

ESG投資残高の推移(2018年~2022年)(出所)Global Sustainable Investment Associationのデータより野村アセットマネジメント作成

ESG投資の主なメリット・デメリット

メリット

長期的なリターンの向上が期待できる
ESG課題に取り組む企業は、高まるESGに関する社会の要請に応える技術やサービスを提供することができ、結果として企業価値の向上につながることが期待されます。また、ESGに配慮したビジネスを行うことは持続的な経営を行うということでもあるため、そのような企業に投資をすることで長期的なリターンの向上が期待できます。

投資を通じた社会貢献ができる
ESG投資をすることは、環境問題や社会問題の解決に取り組んでいる企業を後押しすることにもなり、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することができます。

デメリット(リスクと留意点)

短期的な投資には向いていない場合もある
ESG課題の解決は短期的にかなうものではないため、ESG課題への取り組みによる企業の価値向上は長期的なものになります。そのため、一般的にESG投資は短期的に大きなリターンを得る投資法ではないと考えられます。

NEXT FUNDSのESG投資シリーズ

NEXT FUNDSでは、ESG投資シリーズとして、国内外合わせ4銘柄のETFをご提供しています。

【図表4】ESG投資シリーズETFの概要

日本株米国株
銘柄コード2518264328502635
愛称NF・日本株
女性活躍ETF
NF・日本株
ESGリーダーズETF
NF・日本株
ESGコアETF
NF・米国株
S&P500 ESG ETF
対象株価指数

MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)

MSCIジャパンカントリーESGリーダーズ指数

SolactiveジャパンESGコア指数

S&P500ESG指数(円換算)

指数概要MSCIが開発した、高い性別多様性を指向・維持する日本企業で構成される株価指数。企業の選定(セレクト)にあたり、設備投資への取り組み姿勢といった企業の成長につながる要素も考慮されている。MSCI が開発した、同業他社⽐でESG 評価の⾼い⽇本企業で構成される株価指数。親指数のMSCI ジャパン指数の各セクターから最もESG 格付けの⾼い銘柄を選択するベスト・イン・クラスアプローチで⾼いESG パフォーマンスを⽬指すようデザインされている。日本の経済活動と持続的な成長に係る発展の観点から中長期の成長性が期待される複数の業種の中からSolactive 社の定めるESG 基準に適合する銘柄や、その他の業種の中で相対的にESG スコアが高い銘柄を採用する指数。構成銘柄の選定基準にESG要因を組み込むとともに、S&P 500と同等のパフォーマンス提供と同様のセクター・ウェイトの維持を目標とした株価指数。
信託報酬率
(年率・税込)
0.165%0.132%0.132%0.143%
最低取引金額1口、1,300円前後1口、2,400円前後10口、24,000円前後10口、33,000円前後
組入銘柄数332銘柄106銘柄98銘柄317銘柄
組入上位
5銘柄

三菱UFJフィナンシャル・グループ
東京エレクトロン
リクルートホールディングス
信越化学工業
三井住友フィナンシャルグループ

トヨタ自動車
ソニーグループ
東京エレクトロン
信越化学工業
日立製作所

トヨタ自動車
ソニーグループ
リクルートホールディングス
キーエンス
東京エレクトロン

アップル
マイクロソフト
アマゾン
エヌビディア
アルファベット

ESG分類

○ネガティブ・スクリーニング
○ポジティブ・スクリーニング
○ESG統合
○サステナブル・テーマ投資
○エンゲージメント・議決権

○ネガティブ・スクリーニング
○ポジティブ・スクリーニング
○ESG統合
○エンゲージメント・議決権

○ネガティブ・スクリーニング
○ポジティブ・スクリーニング
○ESG統合
○エンゲージメント・議決権

○ネガティブ・スクリーニング
○ポジティブ・スクリーニング
○ESG統合
○エンゲージメント・議決権


※2023年12月末時点

パフォーマンス

以下の図では、日本と米国の代表的な指数であるTOPIXとS&P500とESG指数の過去5年間のパフォーマンスを示しています。S&P500 ESG指数は親指数であるS&P500を上回って推移していました。日本株のESG指数を比較すると、動きは似ているもののリターンには違いがあることが分かります。


【図表5】指数の過去5年間のパフォーマンス

指数の過去5年間のパフォーマンス

期間:2018年12月末~2023年12月末、月次
※配当込み指数を使用。
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

NEXT FUNDSのETFであれば、話題のESG投資を数千円から始めることが出来ます。ぜひNEXT FUNDSのESG 投資シリーズをご検討いただければ幸いです。

各銘柄の目論見書や月次レポート、著作権等の詳細は、以下にてご確認いただけます。

<関連銘柄>
(2518)NF・日本株女性活躍ETF
(2635)NF・米国株S&P500 ESG ETF
(2643)NF・日本株ESGリーダーズETF
(2850)NF・日本株ESGコアETF

(2024年1月29日更新/2022年4月作成)

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