ETF投資のツボ

ETFを利用している個人投資家ってどんな人?

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個人の資産運用に利用できる金融商品は様々です。株式・債券・投資信託から先物・オプションまで各種あり、ETFもその中の一つです。

ETFは株式と投資信託の間のような特徴を持っていますし、ETFの投資先は株式・債券・コモディティなど多岐に渡っています。大方の投資対象についてはETFを通して投資することができるといっても過言ではないかもしれません。

ところで、このようなETFに投資をしている個人投資家はどのような人なのでしょうか?野村アセットマネジメントが行った投資家調査の結果からETFの投資家像に迫りたいと思います。

ETF投資家=自分で投資判断をしたい人

皆さんは投資をするにあたって、情報収集を自分で行って投資をしたいですか?それとも誰かに相談したいでしょうか?

ETF投資家は前者の人が多そうです。投資家調査の結果を見ると、ETF購入経験者の約9割が「投資商品に関して、情報収集・購入は自分で決める」と回答しています。様々な商品があり、市場でいつでも売買できるというETFの特性は、「自分で決めたい」という投資家にとっては非常に魅力的な商品となっているようです。


質問:あなたの資産運用・投資に対するスタンスとして、最も近い内容をお知らせください。(単一回答、n=1,855)

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(注)「ETF購入未経験者」は、株式・投資信託の購入経験者またはETF購入意向者。以下同様。

(出所)野村アセットマネジメント ETF投資家調査2021

ETF投資家=投資リテラシーの高い人

「100万円を年率2%の利息がつく預金口座に預け入れました。それ以外、この口座への入金や出金はなかった場合、5年後、口座の残高はいくらになっているでしょうか。利息にかかる税金は考慮しないで回答ください。」のようなクイズの正解数からETF投資家の投資リテラシーを見てみましょう。なんとETF購入経験者の約半分が5問あるクイズを全問正解しています。ETF投資家は投資に関する知識をきちんと身につけている人が多いようです。


投資リテラシーに関するクイズ(全5問)の正解数(n=1,855)

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(出所)野村アセットマネジメント ETF投資家調査2021

ETF投資家=年収・金融資産が多い人

さらに、今回の投資家調査では、年収が多いカテゴリーになればなるほどETFの投資経験者の割合が多いこともわかってきました。同様のことは保有金融資産の額についても見てとれます。この傾向は非常に顕著で、年収2000万円以上では62%が、保有金融資産額が5000万円以上では57%がETF投資経験者でした。


質問:あなたのご家庭の世帯年収(税込み)をお知らせください。(単一回答、n=1,855)

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(出所)野村アセットマネジメント ETF投資家調査2021


質問:あなたの世帯で保有している金融資産(土地・建物除く)の合計をお知らせください。(単一回答、n=1,855)

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(出所)野村アセットマネジメント ETF投資家調査2021

ETF=資産運用に真剣に向き合っている投資家が選んでいる投資ツール

今回の調査から見えてきたETF投資家像は、「自分で情報収集や投資判断を行う、投資リテラシーの高い、年収・保有金融資産の多い人」ということになりました。これはこれで現状のETF投資家の実情を表しているのかもしれません。

しかし、だからと言って「ETF=お金に余裕のある投資のプロのための投資ツール」というわけではありません。むしろ、「保有資産が多く、資産運用への意識が高い投資家が自分でいろいろと調べた先にたどり着いた投資ツール=ETF」といえるのではないでしょうか。

ETFは取引所に上場しているので、どのような投資家でも証券会社の口座から株を買うように購入できるものです。富裕層にだけに特別に販売されているようなファンドというわけではありません。また、低コストであることやリアルタイムで取引できるといったETFの特徴はどのような投資家でもそのメリットを享受することが可能です。

にも関わらず、株式や投資信託と比べるとまだ知られていない金融商品ということもあり、それを理解して利用するには、ある程度の資産運用への関心と知識が必要だったということかと思います。

これは裏を返すと、資産運用に真剣な投資家はETFを選んでいるということです。そして、そのETFはあらゆる投資家に門戸を開いています。今から投資を始めるような初心者であっても、ETFを同じように利用することができるのです。

(ご参考)ETF個人投資家調査2021(野村アセットマネジメント)

(2021年12月更新)

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