マーケットのトレンドに投資する ~ETF×信用取引の活用法~(第1回)

ETF投資に信用取引を活用しよう!【ETF×信用取引①】

  • ETF×信用取引
  • 実践

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はじめに

この度『マーケットのトレンドに投資する~ETF×信用取引の活用法~』というテーマで連載させていただくことになりました、よろしくお願いいたします。

現在、東証市場には223銘柄(2018年末時点)のETFが上場しており、日経平均株価に代表されるメジャーな指数のほか、外国株、REIT、貴金属等、世界中の様々な指数に連動するETFが上場しており、「手軽に」「低コストで」インデックス投資を始めることが可能です。それに対し、信用取引は「リスクが大きい」「コストが高い」等、ネガティブなイメージを持つ投資家の皆様も多いと思います。

一見、「ETF×信用取引」は相反するものと思われがちですが、ETFと信用取引の親和性は高く、上手に活用することで投資の幅を大きく広げることができます。

この連載では『信用取引を活用したETF投資で、マーケットのトレンドに投資する』をテーマに、上昇相場・下落相場どちらにも対応可能な投資方法について、分かりやすく解説いたします。

信用取引のメリット

ETF投資に信用取引を活用するメリットとして、①レバレッジ効果を最大限に活かせる点、②信用取引の売り(空売り)により下落相場に対応できる点、の二つが挙げられます。

メリット①レバレッジ効果

メリットの一つ目は『レバレッジ効果』です。

ETFも株式同様、現物取引ではレバレッジは1倍ですが、信用買いによって「最大3.3倍」のレバレッジを効かせることができます。また、「レバレッジ型ETFの信用買い」によって、「最大6.6倍」までレバレッジを高めることができます。

レバレッジ効果のイメージ図

etf_0116_01.png※上記はイメージ図です。

メリット②信用取引の売り(空売り)

メリットの二つ目は『信用取引の売り(空売り)』によって、下落相場に投資ができる点です。

下落相場に投資ができるETFは、日本株と中国株のインバース型ETFのみ上場しており、選択肢は多くないのが現状です。(ETNは外国株指数・コモディティのインバース型が複数上場しています)

その他の選択肢としてデリバティブ(先物のショート)が考えられますが、「デリバティブ専用口座の開設」「株式取引との損益通算不可」等、取引にはいくつかのハードルがあります。

そこで、「ETFの信用取引の売り(空売り)」を活用することで、株式取引と同じ感覚で下落相場への投資が可能になります。

信用取引の売り(空売り)のイメージ図

etf_0116_02.png

ETF×信用取引の活用例

ここまで、信用取引のメリットとして、①レバレッジ効果、②信用取引の売りについて説明いたしました。ここからは、投資家の皆様がETF投資に信用取引をどのように活用しているかについて、実際の銘柄を例にしてご説明いたします。

①ETFの信用買い(1570:日経レバレッジ指数ETF)

メリット①レバレッジ効果において、『レバレッジ型ETFの信用買いによって、最大6.6倍のレバレッジが可能』と説明いたしましたが、既に投資家の皆様はこの手法をフル活用しています。

ここでは、代表的なレバレッジ型ETFである1570(日経レバレッジ指数ETF)の株価と信用残高の推移を見てみましょう。

下のグラフは2018年の株価・制度信用買残高の推移をまとめたものです。

1570(日経レバレッジ指数ETF)の株価・制度信用買残高推移【2018年】(週次)

etf_0116_03.png

(出所)筆者作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定銘柄の売買などの推奨、価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。また、ファンドの運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。


2018年の日本株相場はボラティリティが大きく、株価推移(茶線)を見ると、
①2~3月:株価急落②9月:株価急騰③12月:株価急落
と特徴的な株価の動きが3回ありました。

それに対し、制度信用買残高の推移(青線)を見ると、
① 2~3月:残高急増②9月:残高急減③12月:残高急増
となり、「株価と残高が反比例のようになっている」ことが分かります。

これは、投資家の皆様の「逆張り投資」によるもので、

  • 株価が下落⇒近いうちに反発するだろう⇒今後の上昇を予想して1570を購入(新規の信用買い)
  • 株価が上昇⇒近いうちに調整するだろう⇒今後の下落を予想して1570を利確(既存の買建玉の売り返済)

と考えて投資する方が多いことがグラフから読み取れます。

このように、短期間の株価変動を予想し、レバレッジを効かせて投資したい場合に、「ETFの信用買い」は非常に有効な手法だと言えるでしょう。

②ETFの信用売り(1545:NASDAQ-100ETF)

『レバレッジETFの信用買い』と同様に、『ETFの信用売り』も、投資家の皆様に広く活用されています。ここでは、1545(NASDAQ-100ETF)を例にしてご説明いたします。

この銘柄は、NASDAQ-100®指数(米国の新興市場であるNASADAQ市場に上場している銘柄のうち、時価総額の大きい非金融業株式100銘柄で構成される株価指数)に連動するETFで、アップル・アマゾン等のハイテク銘柄が多く組み入れられています。

下のグラフは2018年の株価・制度信用売残高の推移をまとめたものです


1545( NASDAQ-100ETF)の株価・制度信用売残高推移【2018年】(週次)

etf_0116_04.png

(出所)筆者作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定銘柄の売買などの推奨、価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。また、ファンドの運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。


2018年の米国株相場も、日本株同様にボラティリティが大きい一年でした。

株価推移(茶線)を見ると、
①2月:株価急落②4~9月:株価続伸③年末:株価急落
と特徴的な株価の動きが3回ありました。

それに対し、制度信用売残高の推移(青線)を見ると、
① 2月:残高急減②4~9月:残高増加③年末:残高急減
となり、「株価と残高が比例のようになっている」ことが分かります。

これも、1570と同様に投資家の皆様の「逆張り投資」によるもので、

  • 株価が上昇⇒近いうちに調整するだろう⇒今後の下落を予想して1545を新規売り(新規の信用売り)
  • 株価が下落⇒近いうちに反発するだろう⇒今後の上昇を予想して1545を利確(既存の売建玉の買戻し)

と考える投資家が多いことがグラフから読み取れます。

このように、今後の株価下落を予想する場合に、「ETFの信用売り」は非常に有効な手法だと言えるでしょう。

まとめ

ETF×信用取引の投資手法

①レバレッジ効果(例:1570/日経レバレッジ指数ETFの信用買い)
②信用取引の売り(例:1545/ NASDAQ-100ETFの信用売り)

皆様も信用取引を上手に活用して、インデックス投資の幅を広げてみてはいかがでしょうか。


次回以降は、マーケットで話題になっている指数=ETFをピックアップし、信用取引を活用した投資手法・信用残高の状況について解説いたします。

(2019年1月作成)

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