マーケットのトレンドに投資する ~ETF×信用取引の活用法~(第6回)

話題の指数に投資しよう~外国株ETF【ETF×信用取引⑥】

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外国株ETFとは

第6回のテーマは、『外国株ETFの信用取引活用法』です。
東証には様々な指数に連動するETFが上場していますが、外国の株価指数に連動するETFも多彩な種類があります。現在(2019年5月末)、NEXT FUNDSシリーズの外国株ETFは下記12銘柄が上場しています。

●外国株ETFの銘柄例

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これらのETFは各国・各地域の株価指数に連動しますが、信用取引を活用することで「レバレッジを掛けた投資(信用買い)」「下落相場への投資(信用売り)」も可能になります。(信用取引を活用したETFの投資手法については、本連載の第1回『ETF投資に信用取引を活用しよう!』をご参照ください。)

直近の日本株市場は、米中貿易摩擦が大きく影響し、上昇期待が乏しい状態が続いています。そこで今回は、外国の株価指数がどのように推移し、投資家の皆様が信用取引をどのように活用しているのか、貿易摩擦で注目を集める米国と中国の株価指数に連動するETFを例に見ていきましょう。

米国株ETF/中国株ETF

東証には米国株市場・中国株市場に連動するETFは複数上場していますが、ここではNEXT FUNDS NASDAQ-100®連動型上場投信(1545)NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信(1309)を例にご説明いたします。

NASDAQ-100ETF(1545)はFANG※に代表される米国のハイテク企業を中心とした100銘柄で構成されています。

※米国のIT企業大手のフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(現アルファベット傘下)の4社の頭文字をつないだもの。

一方、中国株式・上証50ETF(1309)は、上海証券取引所に上場するA株(中国の国内投資家向け市場)の代表的な50銘柄で構成されています。

下のグラフは、両銘柄の株価推移を比較したものです。

●株価推移(2018年1月4日~2019年5月28日・日足)

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(出所)筆者作成

※上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定銘柄の売買などの推奨、価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。また、ファンドの運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。


2018年の株価推移を見ると、両者が対照的な動きをしていたことが分かります。

NASDAQ-100ETF(1545)は、ハイテク株への業績期待から2018年秋ごろまで上昇を続けましたが、10月以降に米中貿易摩擦が激化したことで急落しました。

一方、中国株式・上証50ETF(1309)は、2018年の初めこそ世界的な株高に連動して上昇しましたが、その後、シャドーバンキング問題や米中貿易摩擦の影響を受け、2018年末まで下落トレンドが続きました。
株価の推移をまとめると下記のようになります。

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信用取引残高の推移①米国株ETF

それでは次に、投資家の皆様が「外国株ETF×信用取引」をどのように活用しているか、信用取引残高の推移を見ていきましょう。

まずは米国株ETFです。下のグラフは、NASDAQ-100ETF(1545)の株価・制度信用取引残高推移をまとめたものです。

NASDAQ-100ETF(1545)の株価・制度信用取引残高推移(2018年1月4日~2019年5月28日・週足)

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(出所)筆者作成

※上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定銘柄の売買などの推奨、価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。また、ファンドの運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。

株価と信用取引残高の推移を表にまとめると下記のようになります。

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(出所)筆者作成

※上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定銘柄の売買などの推奨、価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。また、ファンドの運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。

ここで注目したいのが、①2018年1月~9月制度信用買残の増加です。

株価と信用取引残高の相関は「逆張り」が一般的なため、株価と信用買残の関係は
・株価が下落⇒近いうちに反発するだろう⇒今後の上昇を予想して「新規の信用買い」=残高増加
・株価が上昇⇒近いうちに調整するだろう⇒今後の下落を予想して「既存の買建玉の売り返済」=残高減少
となるケースが一般的です。

ところが、①2018年1月~9月では株価が上昇しているにも関わらず、制度信用買残も増加していることが分かります。

2018年前半は米国経済の強さが際立ち、Amazon等のハイテク銘柄が軒並み上昇しました。通常であれば利益確定売り⇒残高減少となるケースが多いですが、米国株市場が更に上昇すると考える投資家が多く、「順張りの信用買い」が膨らんでいたことが窺えます。

一方、③2019年1月~4月を見ると、株価は同じように上昇しているにも関わらず、昨年のような「順張りの信用買い」が入っていません。昨年末の急落以降、米国株相場への警戒感が増したことが残高推移から読み取れます。(②2018年10月~12月において、年末にかけて制度信用買残が急減したことからも、「米国株への上昇期待」が剥落していることが分かります。)

信用取引残高の推移②中国株ETF

では中国株ETFはどうだったのでしょう。下のグラフは、中国株式・上証50ETF(1309)の株価・制度信用取引残高推移をまとめたものです。

上証50ETF(1309)の株価・制度信用取引残高推移(2018年1月4日~2019年5月28日・週足)

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(出所)筆者作成

※上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、特定銘柄の売買などの推奨、価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。また、ファンドの運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。

株価と信用取引残高の推移を表にまとめると下記のようになります。

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ここで注目したいのが、④2019年5月~制度信用売残の増加(緑色の円)です。
一般的に「逆張り」における株価と信用売残の関係は

  • 株価が上昇⇒近いうちに調整するだろう⇒今後の下落を予想して「新規の信用売り」=残高増加
  • 株価が下落⇒近いうちに反発するだろう⇒今後の上昇を予想して「既存の売建玉の買戻し」=残高減少

となりますが、直近では株価が下落しているにも関わらず、制度信用売残も増加していることが分かります。

中国への経済制裁が長期化し、中国株市場が更に下落すると考える投資家が多いことが残高推移から窺えます。

まとめ

米国と中国の株価指数を見ると、株価の推移に応じて信用取引残高も増減し、投資家の皆様のマインドが信用取引残高に表れていることが分かります。

今回は二つの指数を例に挙げましたが、ロシア・ブラジル・インド等、様々な国の株価指数に連動するETFが上場しているため、多くの選択肢から銘柄を選ぶことができます。

「外国株ETF×信用取引」を上手に活用いただき、皆様のインデックス投資の幅が広がれば幸いです。

(2019年6月作成)

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