株式市場参加者の関心は、インフレや金融政策から米企業業績へ
POINT
- S&P500は10月半ばに年初来安値更新も、後半には大幅反発
- FRBは大幅利上げを継続中も、利上げペース減速への期待が浮上
- 今後の米インフレ、景気、企業業績に注目
米インフレ抑制のためのFRBによる利上げ加速への警戒、そして、インフレや利上げ加速が米景気を冷やし、米企業業績悪化につながるとの懸念などから、米国株式は今年に入って大きく調整してきました。S&P500は6/16に3,667ポイントの安値を付けた後、一旦は反発したものの、9月に入ってからは再び下落し、10月中旬には年初来安値を更新しました。但し、10月後半には急反発しています。
10月中旬にかけて再び下落した原因は、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBが3会合連続の大幅利上げに動いたことや、インフレ抑制のために今後も引き締めを強化するとの「FRBのタカ派姿勢」を警戒したことです。一方、10月後半に急反発に転じた理由は、世界の中央銀行の中に利上げペースを減速させる動きが出てきたことで、FRBによる利上げペース減速期待が浮上したことや、米企業決算が予想したほど悪くなく、業績に対する市場の期待が回復してきたためと見ています。
今後についてですが、11月のFOMCの結果が10月後半に市場が期待したほどではなかったことで、足元の米株は10月後半の急騰の一部が剝がれてしまいました。引き続き、インフレと米景気、企業業績に注目が集まります。
期間:2020年11月2日~2022年10月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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