株式市場参加者の関心は、米企業業績やリストラなどの企業活動へ
POINT
- S&P500は10月半ばに年初来安値更新も、後半以降は大幅反発
- FRBが利上げペースを減速させる可能性が急浮上
- 今後の米企業業績や米企業活動(リストラなど)に注目
年初来で調整を続けてきた米国株式は10月半ばに年初来安値を付けたものの、その後は大幅に反発しています。S&P500で見た場合、今夏以降の下落分の半分以上を取り戻し、底入れムードが高まっています。
10月中旬以降に大幅に反発した要因は、米インフレが落ち着いてきたことなどから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペースが今後は減速するとの期待が急浮上したためです。そして、市場金利である米国債利回りが低下し、株式の債券に対する相対的な割高感が改善したことで、株価反転上昇につながりました。
今後についてですが、米景気や企業業績、そして、リストラなどの企業活動が注目されると考えています。FRBが利上げペースを減速させると考えられている理由は、米インフレがピークアウトしたと考えられているためですが、その背景には米景気減速があります。
インフレピークアウト、利上げ減速は株式市場にはプラス材料ですが、景気減速下では企業は利益を増やしにくくなるため、その状況は株式市場にはマイナスです。したがって、景気減速下で企業は利益を確保するためにリストラなどのコスト削減に動くことが予想されるため、リストラ動向によって利益が確保できるかどうかに注目が集まりそうです。
期間:2020年12月1日~2022年11月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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