ストラテジストのつぶやき~ETFで広がる投資戦略~

近年の銀行株のカタリストについて考える

2026年4月1日作成

銀行株および対TOPIX相対株価は長期金利上昇と共に上昇してきた

今回は、近年の銀行株のカタリストを考えてみました。「カタリスト」とは、株価が上昇する材料(ニュース)のことを指し、材料(ニュース)が出ることが予想されたり、実際に材料(ニュース)が出ると、株価が上昇するというものです。銀行株はどんな材料(ニュース)で上昇するのでしょうか?

図表1は、TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、および、日本10年国債利回りの推移ですが、ご覧のように、長期的には国債利回り上昇に沿って、株価や相対株価が上昇してきたことが分かります。このことは、2025年12月の投稿「金利上昇や増配が後押しする銀行株の魅力は?」でもご紹介しました。

長期的には金利上昇が銀行株のカタリストと言えそうです。

[図表1] TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、日本10年国債利回りの推移

TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、日本10年国債利回りの推移

期間:2022年12月30日~2026年3月19日、日次
TOPIX:東証株価指数
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

銀行株および対TOPIX相対株価は業績予想の上方修正を予見して上昇(2024年)

但し、株価の値動きを細かく見ると、短期的には別のカタリストがあるようにも見えます。

図表2は、TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、銀行セクターの業績予想の2024年1年間の推移です。ご覧のように、ズバリ!短期的なカタリストは「業績予想の上方修正」と考えます。黒点線枠で囲った部分は、業績予想が大きく上方修正された局面ですが、株価や相対株価はその上方修正に先んじて上昇してきたことがわかります。

2024年の例では、2度の大きな上方修正を予見するように、「先んじて」株価や相対株価が上昇してきたことが分かります。また、上方修正後には「材料出尽くし」となって、その後のパフォーマンスは概ね横ばいでした。業績予想の上方修正は株価上昇のカタリストですが、大事なことは「先んじて」上昇したことであることを理解しておく必要があります。

[図表2] TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、銀行セクターの予想EPSの推移

TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、銀行セクターの予想EPSの推移

期間:2023年12月29日~2024年12月30日、日次
・業績予想:Bloombergが集計する2024年のコンセンサスEPS(1株当たり利益)予想
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

2025年も2024年同様に業績上方修正に先んじて株価は上昇

図表3は2025年の推移ですが、黒点線枠で3つのケースをハイライトしました。

まず、年序盤に業績予想がじりじりと上方修正されたケースについては、株価や相対株価が同時進行でじりじりと上昇しました。年央のケースも同時進行で両者がじりじりと上昇しました。一方、年終盤にかけては業績予想の上方修正は断層的でしたが、株価はじりじりと先んじて上昇していました。細かく見ると、やや違いはありますが、株価は業績予想の上方修正を予見するように上がってきたと言えると思います。

では、業績予想の上方修正はいつ起こるのでしょうか?2024~25年の銀行株の動向を分析すると、銀行が決算発表時に業績見通しの上方修正を合わせて発表し、アナリストも概ね同時かやや先んじて業績予想を上方修正してきたケースが目立ちました。そう考えると、次回の銀行の決算発表は5月に予定されている2025年度の通期決算です。今期業績は好調に推移していることから、5月に向けて株価上昇が期待できるのではないでしょうか。

[図表3] TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、銀行セクターの予想EPSの推移

TOPIX-17銀行指数、対TOPIX相対株価、銀行セクターの予想EPSの推移

期間:2024年12月30日~2025年12月30日、日次
・業績予想:Bloombergが集計する2025年のコンセンサスEPS予想
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信(証券コード:1615)
NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1631)

(2026年4月1日作成)

野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト

阪井 徹史

Tetsuji Sakai

1988年以降約20年間、野村アセットマネジメントにて主に日本株のアクティブ運用業務に従事。その後、グローバル・ストラテジストとして、世界の様々な市場の分析や投資アイデア提供活動を継続中。

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