米国株式市場は米企業業績への改善期待が後退して調整局面へ
POINT
- S&P500は昨年10月半ばに2022年初来安値更新後、リバウンド傾向へ
- 昨年末からのFRBによる利上げペース減速や業績改善期待から株価は回復
- インフレ再燃への警戒や米企業業績への期待後退から、調整局面を迎える
2022年初から調整を続けてきた米国株式は、昨年10月半ばに年初来安値を付けましたが、その後は反発に転じました。その理由は、一番には、米インフレが落ち着いてきたことなどから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペース減速期待が浮上したことであり、それまでの株価押し下げ要因が弱まったことが大きく影響しました。
一方、2023年はハイテク企業の業績改善期待も高まり、夏場まではそうした期待が原動力となり、株価は回復基調が続きました。途中、3月には欧米での金融システム不安で、5月下旬には米連邦債務上限問題への警戒などで調整する場面もありましたが、米企業業績への期待は一定程度保たれ、株価を押し上げてきました。
しかし、8月以降はインフレ高止まりへの警戒や、それに伴う米高金利政策の長期化懸念から、米10年国債利回りが5.0%を超えてきた影響を受けたほか、7~9月期の決算発表で、今後の企業業績見通しが市場が期待していたほどではないとの見方が広がったことなども影響し、足元では調整局面を迎えました。
期間:2021年11月1日~2023年10月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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