ペントアップ需要が期待できる自動車関連セクターの行方
POINT
- TOPIXをやや上回って推移する自動車・輸送機セクター
- コロナ禍で積み上がったペントアップ需要が今後の支えになると期待
- 為替の米ドル円相場動向には注意が必要
TOPIX-17シリーズの自動車・輸送機セクターは、過去1年間リターンではTOPIX(東証株価指数)並みで推移していますが、直近1ヵ月は大きく下回っています。自動車産業は、コロナ禍での部品不足などの供給制約で予定した生産活動ができないながらも、大幅な円安米ドル高が支援材料となり、株価は市場平均を上回って推移してきました。しかし、足元では米国での販売不調が浮上し、パフォーマンスが悪化しています。
一方、コロナ禍で生産が十分でなかったことで、自動車産業にはペントアップ需要(繰越需要)が積み上がっていると考えられています。ペントアップ需要とは、本来であれば出現していたはずの自動車需要が供給不足という要因で抑制されたため、供給不足が緩和されると期待されている来年に需要が回復するというものです。世界景気減速が予想される中では、明るい材料と考えます。
但し、米ドル円相場動向には注意が必要です。為替欄で米ドル円相場の行方についても述べましたが、米インフレ動向に鎮静化が見られると、FRBの引き締め姿勢に変化が生じる可能性があり、為替相場が円高米ドル安に転じると、輸出産業である自動車株には逆風となるので、為替動向には注意が必要でしょう。
期間:2020年10月1日~2022年9月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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