ETF投資のツボ
骨太の方針2026と政策フォーカスETF
2026年7月28日作成
骨太の方針2026と17の戦略分野
6月末の経済財政諮問会議において、骨太の方針2026の原案が示され、7月21日に閣議決定がされました。高市内閣では初の骨太方針策定であり、市場からの注目度も従来以上に高いと考えられます。骨太の方針の正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」で、小泉政権時の2001年度から始まり、政権の重要課題や予算編成の方向性を示す重要な政策文書です。首相が議長を務める経済財政諮問会議で毎年6月ごろに策定されます。もっとも、今年は当初7月中旬に想定されていた閣議決定がずれ込みました。原案が提示されると、円安・債券安など金融市場が大きく反応したことを受け(骨太ショック)、最終版では日本銀行の独立性に関する記載などの文言の見直しが行われました。
図表1は骨太の方針2026の構成を示しています。4章で構成され、第1章はマクロ経済運営、第2章は成長戦略や国民の安全・安心の確保、第3章は中長期の財政計画、第4章は予算編成が記載されており、概ね例年と同様の構成となっています。一方、具体的な内容については昨年の骨太の方針と比べると大きく変わっています。石破内閣における骨太の方針2025では主に「地方創生」というワードが目立ちましたが、骨太の方針2026では「成長」や「投資」といったワードが頻繁に登場しています。従来から高市首相が推進する「強い経済」、「責任ある積極財政」に基づき、官民連携、危機管理投資・成長投資の重点化が打ち出されています。
骨太の方針2026の第2章では、日本成長戦略会議でも示されてきた、成長戦略の中核に据える「17の戦略分野」が示されています。
具体的には、AI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティ、情報通信、量子、防衛産業、航空・宇宙、海洋、造船、マテリアル(重要鉱物・部素材)、合成生物学・バイオ、創薬・先端医療、資源・エネルギー安全保障・GX、フュージョンエネルギー、防災・国土強靱化、港湾ロジスティクス、フードテック、コンテンツの17分野が挙げられています。
これらはいずれも、危機管理投資や成長投資を官民が一体となって大胆かつ戦略的に進めていくことが想定される分野です。骨太の方針2026では、こうした分野を通じて日本経済の供給力を強化し、潜在成長率を引き上げていく姿勢が明確に打ち出されています。
こうした政策の方向性は、投資テーマとしても注目されます。政府の重点分野に位置付けられることで、研究開発支援、規制改革、インフラ整備、政府調達などの面で追い風が期待されるためです。
<図表1:骨太の方針2026の構成>
| 第1章 | マクロ経済運営の基本的考え方 1.「強い経済」の実現に向けて 2.将来世代への責任を果たす持続可能な経済社会の構築 |
| 第2章 | 日本の成長力強化と安全・安心の確保 1.「強い経済」の実現 (1)「日本成長戦略」の推進 (2)成長基盤の強化 (3)強い地域経済の構築 (4)人材力の強化・人材総活躍 2.強い外交・安全保障の確立 (1)外交力・安全保障・情報力の強化 (2)経済安全保障の強化 3.国民の安全・安心の確保 (1)防災・減災・国土強靭化の推進 (2)東日本大震災・能登半島地震への対応 (3)治安・安全の確保 (4)外国人政策の推進 |
| 第3章 | 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 1.「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」の実現 2.全世代型社会保障の構築 (1)社会保障と税の一体改革の推進 (2)成長型経済に合わせた持続可能な社会保険制度 3.主要分野ごとの重要課題と取組方針 (1)少子化対策と日本の未来を担うこども・若者のための政策の推進 (2)公教育の再生、研究活動の活性化 (3)戦略的な社会資本整備の推進 (4)持続可能な地方行財政基盤の強化 4.計画推進のための取組の強化 |
| 第4章 | 当面の経済財政運営と令和9年度予算編成に向けた考え方 1.現下の経済情勢と当面の経済財政運営について 2.新たな予算編成の在り方と令和9年度の基本方針 |
(出所) 内閣府(www.cao.go.jp)「経済財政運営と改革の基本方針2026」 を基に野村アセットマネジメント作成
NF・政策フォーカスETFの上場
骨太の方針2026でも示されている政策への注目が高まる中、当社では7月14日に、新たなアクティブETFである、「NF・政策フォーカスETF」(銘柄コード:605A)を上場いたしました。本ETFは、その時々の政府方針に基づく成長戦略に関連する銘柄へ投資し、政策テーマの恩恵を捉えることを目指すETFです。現時点では、骨太の方針2026でも示されている「17の戦略分野」を基に、以下の通り5つのテーマを設定しています。詳細なセグメントデータを用いて、各企業のテーマ関連事業売上高を計測することで、銘柄を選定し、該当テーマへの高精度なエクスポージャーを提供します。
<図表2: 5つのテーマ>
(出所) 内閣府(www.cao.go.jp)「経済財政運営と改革の基本方針2026」 を基に野村アセットマネジメント作成
「政策に売りなし」という格言もありますが、政策の後押しを受ける分野には、企業の成長機会が広がる可能性があります。NF・政策フォーカスETFは、こうした政策テーマを日本株投資に取り込む手段の一つとして、有力な選択肢といえるのではないでしょうか。
<関連銘柄>
NEXT FUNDS 日本株政策フォーカス上場投信(605A)
(2026年7月28日作成)
