ストラテジストのつぶやき~ETFで広がる投資戦略~

キャッシュフローにも着目した日本株高配当ETFの特徴は?

2026年9月2日作成

キャッシュフローにも着目した日本株高配当指数の長期パフォーマンスは良好

今年(2026年)3月、NEXT FUNDSシリーズに、キャッシュフローにも着目した『NEXT FUNDS FTSE日本株高配当キャッシュフロー50指数連動型上場投信(愛称:NF・日本株高配当キャッシュフロー50ETF)』が上場しました。

指数連動を目指すパッシブ型のNEXT FUNDSの日本株高配当シリーズとしては、NF・日経高配当50 ETF、NF・日本株高配当70 ETF(共に愛称)に次ぐ3つ目のETFとなります。

図表1は、これら3つのETFの対象指数の推移を、日本株が近年になって本格上昇し始めたアベノミクス相場以降(2012年末~)について遡って見たグラフですが、今回上場したNF・日本株高配当キャッシュフロー50ETFの対象指数のパフォーマンスが最も良いことが分かります。

キャッシュフローにも着目することで、どのような効果を狙っているのでしょうか。

[図表1] 日本株高配当関連3指数の推移(配当込みのトータルリターン指数)

日本株高配当関連3指数の推移(配当込みのトータルリターン指数)

期間:2012年12月末~2026年7月末、月次
・指数の正式名称:日経高配当50は日経平均高配当株50指数、日本株高配当70は野村日本株高配当70、日本株高配当CF50はFTSE日本株高配当キャッシュフロー50指数
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

キャッシュフローに着目することで景気後退期に強みを発揮

NF・日本株高配当キャッシュフロー50ETFの対象指数の発表元(FTSE Russell)は、組入銘柄の選定において、配当利回りだけでなくキャッシュフロー利回りを追加する理由として、「強力なフリーキャッシュフローは、企業がより高い配当を分配し、債務を返済し、事業の拡大に資金を提供することを可能にするため、銘柄選択にキャッシュフローの視点を加えることで、投資家に対して景気後退時においても防御的でありながら高い配当収入を追求する能力を提供できる」と説明しています。

図表1でグラフ期間を3つの局面に分けてみましたが、図表2で各局面の実際のパフォーマンスを見てみました。キャッシュフローにも着目した日本株高配当キャッシュフロー50のパフォーマンスは局面①の2012年末~20年末で顕著に優れており、この間には新型コロナウイルス蔓延による景気悪化局面が含まれており、狙い通りのパフォーマンスとなっていたことが分かります。

一方、その直後の反動期(局面②)では日経高配当50に対して出遅れ、2023年末以降の局面③では景気も安定していたことからか大きな差はありません。キャッシュフローに着目することで、このような特徴があるようです。

[図表2] 局面別の期間パフォーマンス

局面別の期間パフォーマンス

・指数の正式名称:日経高配当50は日経平均高配当株50指数、日本株高配当70は野村日本株高配当70、日本株高配当CF50はFTSE日本株高配当キャッシュフロー50指数
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

直近のTOPIX-17業種構成比には大きな違いがある

キャッシュフローにも着目することで、パフォーマンスとしては景気後退局面に底堅く推移してきたことが確認できましたが、業種構成比でみた特徴についても分析してみましょう。

図表3は2026年7月末時点での3つのETFの業種構成比です。赤色太文字は、NF・日本株高配当キャッシュフロー50ETFが他の2つのETFに比べてウェイトが顕著に大きな業種、青色太文字は、逆にウェイトが特に小さな業種です。

足元では、エネルギー資源や医薬品、機械を大きくオーバー・ウェイトとし、銀行を大きくアンダー・ウェイトとしています。医薬品は景気後退局面に強いディフェンシブセクターと考えますが、エネルギー資源や機械は景気敏感株のイメージが強いので意外な印象です。もっとも、それは過去のことであり、これらの業種のキャッシュフローが近年は安定してきたのかもしれません。

なお、銀行の大幅アンダー・ウェイトに関しては、銀行業をキャッシュフローで分析することが難しいために常にアンダー・ウェイトになるのかもしれません。いずれにせよ、今後の投資環境見通しで景気後退リスクが高いと判断した場合は、キャッシュフローに着目するのも良い投資戦略かもしれません。

[図表3] 日本株高配当3指数連動型ETFのTOPIX-17業種構成比

日本株高配当3指数連動型ETFのTOPIX-17業種構成比

時点:2026年7月末
・数値は対純資産比、なお、指数先物などのその他資産も組み入れられており、合計は100%になっていません。
(出所)NEXT FUNDSホームページのデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(証券コード:1489)
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(証券コード:1577)
NEXT FUNDS FTSE日本株高配当キャッシュフロー50指数連動型上場投信(証券コード:518A)

(2026年9月2日作成)

野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト

阪井 徹史

Tetsuji Sakai

1988年以降約20年間、野村アセットマネジメントにて主に日本株のアクティブ運用業務に従事。その後、グローバル・ストラテジストとして、世界の様々な市場の分析や投資アイデア提供活動を継続中。

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