FRBは来年の利上げ減速を予想、米金利先物市場は来年央以降の利下げを想定
POINT
- 米10年国債利回りは6月中旬にピークアウトしたか?
- FRBもマーケットも来年は金融引き締め減速を見込む
- 米景気の大減速がなければ3%を挟んでのレンジ相場へ
米国債市場では、昨夏頃から米国でのインフレ高進を受けて、利上げを警戒する動きが始まりました。今年に入って以降は米国でのインフレが加速したことで、FRBによる急速な利上げを織り込む動きが進み、急ピッチで利回りが上昇、6月中旬には、米10年国債利回りが3.5%程度まで上昇しました。
しかし、7月の米CPIなどの複数の米インフレ指標にピークアウト感が見られ始めたことで、FRBによる利上げ加速への警戒が和らぎ、米国債利回りは低下に転じました。また、米金利先物市場においては、来年初めにかけて米利上げが続くものの、来年央以降は利下げに転じると予想しています。なお、FRBは6月時点において、来年も利上げを続けるものの、利上げペースの大幅減速を見込んでいます。
今後は米国のインフレと景気動向が注目されます。現時点ではインフレは複数の指標でピークアウトが見られ、金利低下要因となりそうですので、米景気動向がどうなるかに市場の注目が集まるでしょう。現状、インフレによる景気への影響は低所得者層の購買力低下に留まっていますが、これが多方面に拡大しなければ、米景気の失速懸念は和らぎ、米10年国債利回りは3%を挟んだレンジ相場になるでしょう。
期間:2020年9月1日~2022年8月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
よく読まれている記事
-
ETFとは?ETF(上場投資信託)のしくみやメリット・デメリット、投資信託との違いを解説ETFとは、日経平均株価やTOPIX、S&P500等の指数に連動するように運用さ…
-
トランプ次期政権と良い相性が期待できる日本株の業種は?トランプ氏の大統領返り咲きをうけ、その施策から影響を受けそうな業種について過去の…
-
Jリートの今後の見通しは?見直されるべきと改めて考える3つの理由パフォーマンスの低迷が続くが取り囲む環境は回復傾向にあるJリートについて、今こそ…
-
馬渕磨理子氏 出演!「日経大人のマネー講座~あなたはどっち派?半導体株VS高配当株~」のアーカイブ動画配信スタート!!2024年6月24日に開催された、「日経大人のマネー講座~あなたはどっち派?半導…
-
配当利回りが魅力の高配当株ETF(解説動画あり)高配当株ETFは、高配当銘柄で構成された指数に連動するETFで、一般的な日本株E…
-
NF・日本株気候変動ETF上場2024年12月3日、NEXT FUNDSより新たにNF・日本株気候変動ETFが…