FRBは4会合連続の大幅利上げを決定、但し、市場の反応は限定的
POINT
- FRBの大幅利上げ継続で米10年国債利回りは4.0%台半ばへ
- 英国の政策ミックスに伴う市場の混乱は鎮静化
- 11月FOMCは市場の期待ほどではなかった
米国債市場では、米インフレ高進を受けた利上げ加速により、米10年国債利回りはじわじわと上昇を続け、6月に3.5%程度を付けた後、一旦は低下したものの、9~10月に再上昇して4.0%台に載せました。
9~10月に再び大幅上昇に転じた原因は、米インフレ動向に鈍化の兆しが見られないことから、FRBが6、7月に続いて9月の金融政策決定会合でも大幅利上げ(通常の3倍に当たる0.75%利上げ)に動いたことで、こうしたFRBの予想以上の「タカ派」姿勢に市場が動揺したことにあります。また、英国による政策ミックスに伴う市場の混乱なども加わり、英国債市場が大きく売られた影響も間接的に受けました。
英国による政策ミックスに伴う市場の混乱は、減税策がほぼすべて撤回されたことや、首相交代による信頼回復などから落ち着きを取り戻しました。また、世界の中央銀行の中には景気への配慮から利上げペースを減速させる動きが出てきたことで、市場の潮目が変わってきた可能性があります。
今後については、引き続きインフレや景気動向に注視が必要ですが、景気への配慮も出てくるものと思われます。11月FOMCは市場が期待したほど「ハト派」とはなりませんでしたが、インフレはエネルギーや財価格中心に落ち着きを取り戻しているため、景気動向次第では今後は引き締め一辺倒ではなくなる可能性もあるでしょう。
期間:2020年11月2日~2022年10月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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