2023年12月の米国株式市場は米長期金利の低下を好感して続伸
POINT
- S&P500は2022年10月半ばに底入れしてリバウンド
- 2023年はFRBによる利上げペース減速や業績改善期待から株価は回復
- 同年8月以降は米長期金利の動きに一喜一憂し、足元では利下げ期待で上昇中
2022年初から調整を続けてきた米国株式は、10月半ばに底入れし、その後は反発しました。その理由は、米インフレが落ち着いてきたことで、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペース減速期待が浮上したためで、それまでの株価押し下げ要因が弱まったことが大きく影響しました。
一方、2023年はテクノロジー企業の業績改善期待も高まり、夏場まではそうした期待が原動力となり、株価は回復基調が続きました。途中、3月には欧米での金融システム不安、5月下旬には米連邦債務上限問題への警戒などで調整する場面もありましたが、米企業業績への期待が株価を押し上げてきました。
しかし、8月以降は、米長期金利の動きに一喜一憂する展開となりました。米10年国債利回りが一時5%を超えてきた10月下旬にかけては大きく調整、その後、米インフレに鎮静化が見られてきたことなどから11月以降に長期金利が一転急低下し、12月には4%を割り込んだことを好感して株価は大きく上昇、史上最高値に迫りました。米国株は、当面は米長期金利や米景気の行方に左右される展開が続きそうです。
期間:2022年1月3日~2023年12月29日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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