マーケット・アウトルック TOPIX17業種

2023年央以降、TOPIXに対してパフォーマンス劣後が続いている素材・化学セクター

POINT

  • 2022年央~2023年央の素材・化学セクター株価はTOPIXにほぼ連動
  • 2023年央以降はじりじりとパフォーマンスが悪化
  • 悪化の背景は中国需要であり、今後の回復のカギは中国景気の回復

下図に見られるように、TOPIX-17素材・化学セクターのパフォーマンスは、2022年央~2023年央はTOPIX(東証株価指数)に概ね連動していました。2023年前半までは、欧米の金融引き締めの影響からTOPIXが一進一退となりましたが、素材・化学セクターも同様に推移していました。2023年央にかけては米利上げ幅の縮小や利上げ停止が好感されて、TOPIXが上昇し、同セクターも追随して上昇しました。

2023年央以降は、上述の米利上げ停止や、その後の利下げ期待などからTOPIXが上昇基調をたどる中、同セクターは上昇してはいるものの、TOPIXには劣後するパフォーマンスとなり、その差は徐々に拡大し、過去1年間ではTOPIXの+30.1%に対して同セクターは+17.6%に留まりました。

同セクターの上位構成銘柄を見ると、半導体関連などのハイテク材料メーカー、化粧品やおむつ、生理用品などの日用品メーカーなどがあります。半導体関連は比較的堅調なパフォーマンスでしたが、日用品関連が足を引っ張る格好となり、中国需要の低迷もその背景にあったようです。しかし、足元では中国での在庫調整が最終局面となっているようで、今後の需要回復次第では今後の素材・化学セクターのパフォーマンスも期待できるでしょう。


期間:2022年6月1日~2024年5月31日、日次

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(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1620)

当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。

野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト

阪井 徹史

Tetsuji Sakai

マーケット・アウトルック

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