
日米金利差がさらに拡大して円安米ドル高が進む
POINT
- 米ドル円相場は続伸(円安米ドル高)
- FRBは3会合連続で大幅利上げを決定
- 今後の注目は賃金上昇や住宅などのサービス価格インフレの行方
今年3月以降、急ピッチで上昇してきた米ドル円相場ですが、7月中旬に140円に迫る実に24年ぶりの円安米ドル高水準で一旦のピークを打ち、その後、130~140円程度のレンジ内でもみ合った後、9月に入ってからは再び勢いづいて145円程度の円安米ドル高水準となっています。
最近の米ドル円相場を動かしている原動力は日米の金融政策の違いです。9月の金融政策決定会合では、日銀が金融緩和政策の堅持を決定した一方、FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ抑制のために3会合連続の大幅利上げを決定しました。日米金融政策が大きく異なることで、円安米ドル高が進行しています。
今後については、注目はFRBの動き、つまりは米インフレの行方でしょう。原油などのエネルギー価格インフレには鎮静化の兆しが見られ始めている一方、住宅をはじめとしたサービス価格インフレは高止まりしており、今後は賃金上昇やサービス価格インフレ動向が米ドル円相場に大きく影響するでしょう。
期間:2020年10月1日~2022年9月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
よく読まれている記事
-
ETFとは?ETF(上場投資信託)のしくみやメリット・デメリット、投資信託との違いを解説ETFとは、日経平均株価やTOPIX、S&P500等の指数に連動するように運用さ…
-
2025年度に好決算が期待されるゼネコン株の投資妙味を探る前年度よりパフォーマンスが好転した建設関連株の中でも、好調なパフォーマンスをけん…
-
発足後25年を迎えたヨーロッパETFの現況と今後の展開【世界ETF事情㉒】欧州ETFの現在に至る商品・制度の変遷、量的成長の状況、残高・ファンド数の米国等…
-
好景気時のリターンに期待。電機・精密ETF好景気時の株価上昇に期待。NF・電機・精密(TPX17)ETFについて深堀ります…
-
配当利回りが魅力の高配当株ETF(解説動画あり)高配当株ETFは、高配当銘柄で構成された指数に連動するETFで、一般的な日本株E…
-
未来を予測する最良の方法は過去を理解すること市場平均に勝つには過去の高ROE(株主資本利益率)だけで選ぶのではなく、過去の実…