リストラを中心としたコスト削減策を好感する米株式市場
POINT
- S&P500は10月半ばに年初来安値更新後、リバウンド傾向へ
- FRBが利上げペースを減速させ始める
- 足元で発表が続いている米企業のリストラを市場は好感
2022年初から調整を続けてきた米国株式は昨年10月半ばに年初来安値を付け、その後、大幅に反発し、一進一退を繰り返しながらも、足元では下値を切り上げつつあります。
10月中旬以降に大幅に反発した要因は、米インフレが落ち着いてきたことなどから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペースが今後は減速するとの期待が急浮上し、実際に12月に減速させ始めたためです。そして、政策金利の引き上げが続いている一方で市場金利である米国債利回りが低下し、株式の債券に対する相対的な割高感が改善したことも株価反転上昇の材料となりました。
今後についてですが、米インフレはピークアウトし、米景気は緩やかに減速、それを受けてFRBは利上げペースを減速させ始め、今年前半に利上げ停止が予想されています。一方、テクノロジー企業を中心とした米企業業績の悪化が同時並行で進んでいます。景気減速下で利益を確保するために、企業は人員削減を中心としたリストラなどのコスト削減に動き始めていますが、実際にリストラ計画が発表されると、市場はそうした施策を好感して当該企業株価が上昇するなど、リストラが将来利益の改善につながることを期待しているようです。今後のリストラ動向に注目が集まります。
期間:2021年2月1日~2023年1月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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