ファイナンシャルプランナーが伝授する資産形成・資産活用としての株式投資(第6回)

日本や世界のGDPと株式投資の意味【資産形成⑥】

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前回は「パン作りで学ぶ世界経済とGDP入門」ということで、経済ニュースなどでよく出てくるGDP(国内総生産)とはそもそも何なのかについてご説明をしました。

パン作りを例に出しましたが、GDPは世の中に生み出された商品やサービスといった付加価値の総和で、家計(個人)にはお給料として、企業には利益として、そして政府には税金として分配されるということをご理解頂けたと思います。

今回は、日本や世界のGDP、そして株式投資の意味について考えてみましょう。

横ばいが続く日本のGDP

みなさんは日本のGDPがどのくらいかご存知ですか。

次のグラフは、1960年から2017年までの日本のGDPを示しています。ここでは、後半で国際比較をするために米ドル建ての数字になっていて、グラフは10億ドル単位で示しています。

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(出所)The World Bank
 グラフは過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

このグラフを見ると、日本のGDPは1995年までは成長を続けていましたが、その後は、多少変動はあるものの5兆ドル程度で横ばいになっているのがおわかりいただけると思います。

では、日本から世界に目を向けて、米国や中国などのGDPはどうでしょうか。

成長を続ける世界主要国のGDP

ここでは、日本に加えて、米国、中国、ドイツ、インド、ブラジル、ロシアのGDPの推移を一つのグラフにまとめてみました。

日本のGDPは緑色で示していますが、先程お示しした通り、1995年以降概ね横ばいになっています。

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(出所)The World Bank
 グラフは過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

一方、米国(青色)は右肩上がりで成長が続いています。1995年頃までは日本も米国の成長についていっていましたが、その後は米国からかなり離された様子がわかります。

2000年代中盤から急速に成長が加速してきたのが中国(オレンジ色)です。中国のGDPは2010年に日本を抜き、世界第2位となりました。そしてその後も成長を続け、2017年時点では、日本の約2.5倍のGDPを誇るまでに至っています。

また、先進国の一つであるドイツ(黄色)は、日本のような高成長期は見られませんが、着実に成長を続けているように見えます。

インド、ブラジル、ロシアといった新興国は、2000年代に入ってから成長が加速している様子がうかがえます。

このように、GDPは国ごとにその成長スピードが大きく異なっています。

株式に投資することの意味

すでにご説明した通り、GDPが成長するということは、お給料として支払われる賃金総額は増え、企業に残る儲けも増えることになります。日本のGDPが横ばいであることを考えると、私たちも、日本以外の国のGDP成長(経済成長)の恩恵を受けられればよいのですが、どうしたらよいのでしょう。

自分が従業員として働いてお給料を受け取る場合には、基本的に自分が住んでいる国で働くことになると思いますので、簡単ではなさそうです。一方、企業に残る儲けを手に入れるのであれば、必ずしも自分が住んでいる国の企業に限定する必要はありません。

企業は、ビジネスを行って売上を上げ、費用を支払い、その結果利益が残るわけですが、この利益は、一部が配当として株主に支払われ、残った部分は今後のビジネスの成長のために投資されるのが一般的です。つまり、自分のお金で株式を購入、保有し続けること(株主になること)によって、企業が生み出す利益を受け取ることができるわけです。

この方法こそが、株式投資です。株式投資であれば、日本にいながら、長期にわたって経済成長が続いている米国の企業や急成長を遂げている中国の企業など、日本以外の国のGDP成長の恩恵を受けることも可能になります。

自分の時間を使って働くことで給料という勤労所得を得ながら、自分のお金を使って株式を保有することで配当という財産所得を得る(一般的には、株式からのリターンには、配当以外にも値上がり益も見込まれます)。資産形成は、勤労所得と財産所得の両輪でバランスを取りながら行っていくのがよいのではないでしょうか。

次回は株式会社が利益を生み出す仕組みについてご説明していきたいと思います。お楽しみに。

(2019年3月作成)

株式会社ウェルスペント
代表取締役

横田 健一

KENICHI YOKOTA

「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで、資産形成情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。同時に、ファイナンシャル・プランナーとして、家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行っている。
著書:新しいNISA かんたん最強のお金づくり

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