vol.5

ETFをつくる人・運用する人・取引する人・守る人。
ETFを支える4つの職場にカズレーザーが突撃!

ETFが投資家へ届けられる過程には、たくさんのプロフェッショナルが関わっています。今回はカズレーザーさんがETFを支える4つの職場に潜入し、突撃取材を敢行。彼らの奮闘ぶりを知れば、一見無機質な投資商品・ETFを身近に感じられるかも!?

ETFをつくる人: “先の先”を創造して新商品をつくる

カズレーザー
いきなり商品企画会議にお邪魔しています!この会議ではどのようなことが話し合われるんですか?
髙橋
今日は新商品に関するアイデア会議を行っていて、ETFに関わるさまざまな役割を持つメンバーが集まり、多様な観点から意見を出し合っています。投資家の皆様のニーズや足元の経済動向、そして世界がこれからどのように変わっていくのかなども話し合います。
カズレーザー
ETFってすでにたくさんの種類があると思うんですが、まだ新しい商品が必要なんですか?
阿南
仰る通り、国内外の株式や債券、REIT、コモディティ等様々な種類のETFがありますが、まだカバーできていないテーマや資産もあります。
カズレーザー
例えば、どのような商品があればいいなと思いますか?
水﨑 優駿(みずさき ゆうしゅん): ETFの商品開発を担当(ETF事業戦略部)
水﨑
世界どこでも好きな国の株式や債券に投資できるETFを作りたいですね。世界旅行感覚で投資ができるようになれば、投資家の皆様もより親近感を持って投資できるようになるのではないかと思います。また、株式や債券に限らず、ETFにしてしまえば暗号資産でもコーヒー豆でもどんな資産にも上場株式と同じやり方で投資ができます。一方で新しい種類のETFの組成には制度の見直しが必要になる場合もありますし、例えば暗号資産であれば新技術の登場や世相の変化などのマーケット状況を把握することも必要ですから、簡単ではありません。
カズレーザー
いやぁ大変そうですね!ちなみに、新しい商品をつくるまでにどれくらいの時間がかかるんですか?
髙橋
制度改正等が必要なものの場合、数年がかりになることもありますが、一般的には商品の方向性が固まってから実際に上場するまでは、6か月が目途でしょうか。すぐには投資家様の元へ届けられないため、「上場したときには、すでにマーケットが変わっている」こともあり得ます。その意味でも、マーケットの先の先まで想像することが必要です。
髙橋 悟(たかはし さとる): ETFの企画を担当(運用部)

魅力的なETFをつくって、国内ETFマーケットを元気にしたい

<右>阿南 晏樹(あなん あんじゅ): ETFの商品開発を担当(ETF事業戦略部)
<左>中村 泰貴(なかむら たいき): ETFのマーケティングを担当(ETF事業戦略部)
カズレーザー
こちらのホワイトボードには何が書かれているんですか?
中村
投資家と一口にいっても、個人投資家、機関投資家、海外投資家など主体は様々ですのでそれぞれの投資家に今どういったニーズがあるのか、出し合った意見をホワイトボードにメモしています。
カズレーザー
日本株に大きな印がつけられていますが、これは何でしょう?
中村
海外投資家からの日本株に対する需要が大きいことを示しています。日本株ETFへの資金流入額も非常に大きいため、その需要をしっかり取りに行きたいと思っています。
カズレーザー
海外投資家は日本のETFを買うんですね。
阿南
「ETFは民主的な金融商品」と言われることがあります。証券取引所に上場しているETFは、個人投資家から機関投資家、海外投資家まで、どんな投資家も売買できます。
カズレーザー
最近日本の個人投資家が日本株ではなく、米国株を中心に投資していると聞きますが、海外投資家に日本株を買ってもらう手もあるんですね。
水崎
そうなんです!我々の使命はやはりETFを通じて国を盛り上げること。我々が魅力的なETFをつくって、日本経済活性化に貢献していきたいと思っています。
カズレーザー
それぞれに、いろんな思いが込められているんですね!

ETFを運用する人:日々細かな調整は、まさに職人技!

<右>吉川 龍也 (よしかわ たつや): 主に外国株式、外国REITのインデックス運用を担当(運用部)
<左>境野 瑞希 (さかいの みずき): 内外株式&REITのインデックス運用を担当(運用部)
カズレーザー
次は、ETFを運用しているファンドマネージャーにお話を伺います!ETFって指数と連動するものが多いと思いますが、そもそもどうやって指数と連動させているんですか?
境野
基本的には指数に組み込まれている銘柄に構成比率が同じになるように投資して、指数と連動させています。
例えば、TOPIX(東証株価指数)との連動を目指す「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)」であれば、トヨタを筆頭に約2000銘柄にTOPIXと同じ構成比率になるように投資をしています。
カズレーザー
へぇ~、約2000銘柄全てに投資しているんですね!うまく比率まで合わせるの、無茶苦茶大変そうですね。
吉川
そこがまさに我々の腕の見せどころなんです!ETF内の銘柄構成を日々調整することで、指数と値動きの乖離がなるべく出ないようにしています。
カズレーザー
それって、ボタン1つで自動化されていたりするんですか。
吉川
インデックス運用は全て自動化されているとよく誤解されるんですが、実際はファンドマネージャーが市場で発生する様々なイベントやデータを分析して、売買の数量や方法を決めています。
カズレーザー
運用部のみなさんがETFを緻密に運用することで、指数と乖離が少ないETFが商品として成り立っているんですね!まさに職人技ですね。

ETFを取引する人:最大1日8,000億円の取引を行う

カズレーザー
続いて、「トレーディング部」のデスクに来ました!パネルがたくさんありますね。これは一体何ですか?
松津
8画面のパネルのうち4枚が発注画面です。トレーディング部では、運用部で作成された注文を正確に・最良の条件で執行することが求められます。担当する商品の幅が広く、取引に時間的制約があることも多いので、この画面は日本株、この画面は海外先物、と商品ごとに分けることで正確かつ速やかな執行ができるようにしています。
カズレーザー
残りの4枚は何ですか?数字がチカチカしていたり、グラフみたいなのが映ったりしていますね。
松津
残りの4枚は、板・チャート・ニュースなどのマーケット情報の確認や社内外のコミュニケーション、マーケット分析などに使用している画面です。カズレーザーさんが仰ったグラフみたいなものは、株価の動きを示す「チャート」ですね。ETFに関するものだと、特定の銘柄について、どこの国からどれくらい資金流入もしくは資金流出しているのか、資金の流れが分かる情報も表示しているんですよ。
松津 美保(まつづ みほ):日本株パッシブファンドや国内外の先物オプションなど
のデリバティブ取引を担当(トレーディング部)
カズレーザー
なるほど。あれ、でもここにSNSも表示されていますよ!松津さんサボってSNS見ちゃダメじゃないですか!
松津
いえいえSNSもちゃんとしたトレーディングに役立つツールなんですよ!SNSは、どこよりもニュースを素早くキャッチできるツールだと思います。マーケットの変動に対して瞬時のリアクションを求められるトレーディング業務においては、すごく重宝していますね。
カズレーザー
SNSも大事な情報源なんですね!失礼しました。
石岡さんの画面構成は、松津さんのとは少し違ってチャート画面が多いですね。
石岡 聖子(いしおか せいこ):日本株パッシブファンドや国内外の先物オプション
などのデリバティブ取引を担当(トレーディング部)
石岡
そうですね。トレーダーによって重視する情報や見やすい画面構成は異なりますので、必然的に松津の画面とは映す情報が違ってきますね。カズレーザーさん、ちなみに私たちが1日に執行する日本株の取引金額っていくらくらいか想像つきますか?
カズレーザー
いくらくらいだろう...数億円とかかな?
石岡
実は、数百億円から多いときだと8,000億円の取引をしています。
カズレーザー
すごい金額ですね!そんな大金を毎日トレーディングしていると、金銭感覚が変になりませんか?(笑)
石岡
50万円でも8,000億円の取引でも投資家様にとっては大切なご資金です。私たちは金額の大小に関係なく、最良な執行で運用パフォーマンスの最大化に貢献できるように、日々頑張っています。
カズレーザー
さすが、発言がプロフェッショナルだ…!

ETFを守る人:銘柄の流動性を確保し、投資環境を整える

西崎 直之(にしざき なおゆき):ETFの商品組成や海外マーケティング、
キャピタル・マーケッツを担当(ETF事業戦略部)
カズレーザー
あれ、何だか難しそうな画面と対峙している人がいます。一体何をしているんでしょうか。
西崎
ここ「キャピタル・マーケッツ・デスク」では、ETF市場における流動性をモニタリングしています。流動性とは簡単に言うと、「売買のしやすさ」のこと。注文されている量が多い状態を流動性が高いと言います。流動性は高ければ高いほど、より投資家ご自身の希望通りの値段・タイミングで売買することができるんですよ。
カズレーザー
流動性をチェックするために、具体的にどのような業務をしているんですか?
西崎
自社ETF市場における取引状況をモニタリングする中で、例えば売買の目安となる「気配」が出ていない場合には銘柄の値付けをする専門業者・マーケットメーカーへ掲示の依頼をしたり、彼らが安心して値付けできるように、商品性の説明をしたりしています。
カズレーザー
かなり専門的な仕事みたいですね。
西崎
そうなんです。やっぱりETFの良さは株式市場で株のように売買できるというところにありますので、投資家の皆様が取引しやすいよう、流動性を支えるマーケットメイカーの方々と日々流動性の確保に努めています。
カズレーザー
責任重大じゃないですか!キャピタル・マーケッツ・デスクがあるおかげで、投資家はETFを安心して取引できるんですね!
カズレーザー
今回4つの職場に訪問させていただきましたが、想像していた以上にそれぞれがプロフェッショナルで驚きました。ETFは各分野の専門家の英知が結集して出来上がっていることがよくわかりました!