
中国株式市場は景気悪化への警戒と当局の景気対策への期待で一喜一憂
POINT
- 2022年10月頃までの中国株式市場は様々な重荷を警戒
- 11月以降は、ゼロコロナ政策、大手企業への規制が緩和されたことを好感
- 中国景気悪化への警戒と当局の景気対策期待に一喜一憂
2022年の中国株式市場は大きく調整してきました。主要因は、米中間の通商問題、中国当局による大手企業への規制、マンション工事中断に揺れる住宅問題、そして、厳格なゼロコロナ政策など、複合的な重荷を警戒してきました。そして、昨年10月に中国共産党大会が開かれ、新たな指導体制が決まった後もゼロコロナ政策が堅持されると、中国株式には売りが殺到しました。
しかし、11月に入ると、ゼロコロナ政策に部分的緩和の兆しが見え始め、入境規制の緩和やPCR検査の柔軟化が始まり、その後、市民の抗議活動が激化すると、12月には更なる緩和が進みました。大手企業への規制も徐々に緩和され、これまでの警戒が後退、11月以降の株式市場は急速に回復しました。
今年2月以降の中国株式市場は、上下動を繰り返しながら再び下値を切り下げてきました。2月は米国上空を飛行した気球問題が重荷となったほか、3月には欧米での金融システム不安から世界的にリスク回避的となったことで売り優勢となり、水準を切り下げました。足元では、不動産業界の不振などから中国景気悪化への警戒が高まる一方、中国当局による景気対策への期待などもあり、これら両者に一喜一憂する展開が続いています。
期間:2021年9月1日~2023年8月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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