中国株式市場は当局の景気対策への期待が徐々に優勢となり底入れ機運
POINT
- 2022年10月頃までの中国株式市場は様々な重荷を警戒
- 同年11月以降は、ゼロコロナ政策、大手企業への規制が緩和されたことを好感
- 2023年は景気悪化への警戒などから下落したが、2024年は底入れ機運高まる
2022年の中国株式市場は大きく調整しました。要因は多数あり、米中間の通商問題、中国当局による大手企業への規制、マンション工事中断に揺れる住宅問題、そして、厳格なゼロコロナ政策など、複合的な重荷を警戒してきました。そして、同年10月に中国共産党大会が開かれ、新たな指導体制が決まった後もゼロコロナ政策が堅持されると、中国株式には売りが殺到しました。
しかし、2022年11月にはゼロコロナ政策に部分的緩和の兆しが見え始め、その後、市民の抗議活動の激化などもあり、12月には更なる緩和が進みました。大手企業への規制も徐々に緩和され、これまでの警戒が後退し、株式市場は急速に回復しました。
2023年2月以降の中国株式市場は、上下動を繰り返しながら再び下値を切り下げました。要因は複数あり、米国上空を飛行した気球問題、欧米での金融システム不安の余波、そして、中国不動産業界の信用不安などに伴う中国景気悪化への警戒などです。一方、2024年に入ってからは当局による景気対策や株式市場支援策などが打ち出され、足元では底入れ機運が徐々に高まっています。
期間:2022年5月2日~2024年4月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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