FRBによる利上げ打ち止め観測や来年の利下げ期待で、米ドル円相場はピークアウト
POINT
- 米ドル円相場は昨年10月以来の150円台に
- 米ドル円相場を動かしてきた日米金融政策
- 足元ではFRBによる利下げへの期待が高まり、円高米ドル安に
昨年3月以降、日米金利差の急拡大などを背景に急ピッチで上昇してきた米ドル円相場ですが(円安米ドル高)、10月中旬に一時150円台に載せた直後から円高米ドル安に反転し、その後水準を切り下げて一時は130円を割り込みました。但し、今年に入って以降は再び円安米ドル高が進み、11月には一時151円台まで米ドルが上昇し、昨秋高値を若干更新しました。
このような米ドル円相場の動きの背景には、日米の金融政策への市場の見方が変化してきたことがあります。昨秋以降の円高米ドル安の局面では、米利上げの早期終了と日銀による超金融緩和政策の修正が予想されましたが、今年に入ると、米インフレが予想以上に長びき米利上げ終了期待が低下した一方、日銀の植田新総裁が緩和政策継続を訴えたことで、再び円安米ドル高局面となりました。
一方、11月下旬になると、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ打ち止めや来年の利下げ観測が急浮上したほか、日銀による金融緩和政策の出口戦略が予想され始め、そうした日米の金融政策の方向性の違いを受けて140円台後半へ円高米ドル安に動き始めました。今後、日米金融政策がどのように変化していくのか、引き続き注目が集まりそうです。
期間:2021年12月1日~2023年11月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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