11月の米国株式市場は米長期金利が一転して急低下したことを支えに急反発
POINT
- S&P500は昨年10月半ばに2022年初来安値更新後、リバウンド傾向へ
- 2023年はFRBによる利上げペース減速や業績改善期待から株価は回復
- 8月以降は米長期金利の動きに一喜一憂し、足元では米長期金利の低下を好感
2022年初から調整を続けてきた米国株式は、昨年10月半ばに年初来安値を付けましたが、その後は反発に転じました。その理由は、一番には、米インフレが落ち着いてきたことなどから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペース減速期待が浮上したことであり、それまでの株価押し下げ要因が弱まったことが大きく影響しました。
一方、2023年はテクノロジー企業の業績改善期待も高まり、夏場まではそうした期待が原動力となり、株価は回復基調が続きました。途中、3月には欧米での金融システム不安、5月下旬には米連邦債務上限問題への警戒などで調整する場面もありましたが、米企業業績への期待は一定程度保たれ、株価を押し上げてきました。
しかし、8月以降は、米長期金利の動きに一喜一憂する展開が続きました。米10年国債利回りが5%を超えてきた10月下旬にかけては調整しましたが、11月には米インフレに鎮静化が見られてきたことなどから長期金利が一転して急低下し、株式市場の相対的な割高感が薄れたことから急速に回復しました。当面は、米長期金利や米景気の行方に左右される展開が続きそうです。
期間:2021年12月1日~2023年11月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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