
日銀の金融緩和政策の修正を好感した銀行セクターの行方
POINT
- 銀行セクター株価は2022年にTOPIXをアウトパフォーム
- 景気減速下で高配当利回りと低PBRが投資家の関心を引き付ける
- 足元でパフォーマンスが急上昇
TOPIX-17シリーズの銀行セクターは、2021年は概ねTOPIX(東証株価指数)並みのパフォーマンスでしたが、2022年はTOPIXを持続的にアウトパフォームしました。
銀行セクターは高配当利回りや低PBR(株価純資産倍率)のセクターであり、景気減速下で成長への期待が薄れる局面では投資家の関心を引き付けやすいセクターと考えられています。業績的にも、景気が悪くてもローンの返済は続くので、継続的な収入が見込めます。そして、成長期待がないために株価は割安圏にあることが多く、下値リスクがない中でポジティブな材料に反応しやすい傾向があります。
先般の日銀による大規模金融緩和の修正発表以降、銀行セクターは大幅に上昇しています。政策金利を据え置きながら、長期金利の変動許容幅を±0.25%程度から±0.5%程度に拡大するという先般の政策修正は、長短金利差の拡大を意味し、利ざやが改善することを通じて銀行セクターの収益改善につながることが想定されます。今後の政策修正が今回同様に長短金利差を拡大させるものになるのか、あるいは、再び長短金利差を縮小させるものになるのか、政策次第で株価は大きく動くことが想定されます。
期間:2021年1月4日~2022年12月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
<指数の著作権等について>
●「東証株価指数(TOPIX)」、「TOPIX-17各業種指数」の指数値及び「TOPIX」、「TOPIX-17各業種指数」に係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社(以下「JPX」という。)の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など「TOPIX」、「TOPIX-17各業種指数」に関するすべての権利・ノウハウ及び「TOPIX」、「TOPIX-17各業種指数」に係る標章又は商標に関するすべての権利はJPXが有します。JPXは、「TOPIX」、「TOPIX-17各業種指数」の指数値の算出又は公表の誤謬、遅延又は中断に対し、責任を負いません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
よく読まれている記事
-
ETFとは?ETF(上場投資信託)のしくみやメリット・デメリット、投資信託との違いを解説ETFとは、日経平均株価やTOPIX、S&P500等の指数に連動するように運用さ…
-
ETFの分配金のしくみと利回り【ETFの買い方・売り方②】ETFは決算期間中の利子や配当等の収益から費用を控除した全額を分配金として支払い…
-
コロナショック以降の米国株3指数コロナショック以降の米国株市場を振り返るとともに、米国株の代表的指数3種の特徴を…
-
新興国株のばらつきと堅調なインド株世界情勢が目まぐるしく変化する中、新興国の株式市場は国ごとのばらつきが大きくなっ…
-
株主還元に注目?成長テーマ不在の中では様々なサブテーマが活躍王道投資テーマが不調の中、サブテーマとして有望視される株主還元について業種パフォ…
-
FRBの金融政策から考える米ドル円相場の行方米国の消費者物価指数の推移や雇用環境から今後の米ドル円相場の行方を考えます。
-
NASDAQ-100が2023年に入って急反発!リストラで評価を取り戻す米テクノロジー業界リストラなどにより株価が急反発したNASDAQ-100の動向から、米ハイテク株の…
-
発足後30年を迎えたアメリカのETF【世界ETF事情⑯】今年で30周年を迎えたアメリカのETF。急成長の要因や今後の注目商品についてレポ…