エネルギー資源はTOPIX-17業種で最も配当利回りが高いセクターの1つ
POINT
- エネルギー資源セクターの配当利回りは約4.0%とTOPIXを大きく上回る
- 原油相場が弱含む状況でも株価パフォーマンスは回復傾向
- 安定的な株主還元を目指す
TOPIX-17各業種の2023年7月末時点の配当利回りを見ると、エネルギー資源が約4.0%と最も高くなっています(次点は鉄鋼・非鉄の約3.9%)。市場平均であるTOPIX(東証株価指数)の2.2%程度と比べると非常に高水準です。ちなみに、最も低いセクターは、小売と電機・精密の1.4%程度となっています。
TOPIX-17エネルギー資源の株価パフォーマンスを見ると、WTI原油先物が150米ドル程度に急騰した2022年央にかけて急上昇しました。その後は原油相場のピークアウトとともに下落に転じましたが、今年に入ってからは原油相場が70~80米ドルでレンジ相場にある中でも、株価は回復傾向にあります。
エネルギー資源セクターの指数ウェイト上位銘柄の配当や自社株買いなどの「株主還元」に対する姿勢を見ると、総還元性向(配当金と自社株買い額が当期利益に占める割合)を「在庫評価の影響を除いた当期利益に対して50%以上とする」など、市況の短期的な変動の影響を避けながら、安定的な株主還元を行なう方針を示しており、投資家に一定の安心感を与えています。高い配当利回りの持続性に対する期待がパフォーマンスにつながっているものと考えています。
期間:2021年8月2日~2022年7月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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