米国新築住宅需要に支えられる建設・資材セクター
POINT
- 過去2年間の建設・資材セクターの株価はTOPIXとほぼ同等の動き
- 建設・資材セクターの業績は海外ビジネスに支えられて成長
- 米国新築住宅を中心とした海外需要に支えられる
下図に見られるように、TOPIX-17建設・資材セクターのパフォーマンスは、過去2年間ではほぼTOPIX(東証株価指数)と同等でした。建設・資材セクターというと、「低成長の内需株」というイメージが強いですが、実は海外住宅などの「外需」ビジネスが年々増えており、銘柄によっては利益寄与も大きくなっています。建設・資材セクターは海外ビジネスに支えられて成長しています。
近年の米国では急速な利上げが進み住宅ローン金利が高騰しています。ローン金利が上昇すると住宅需要が減退するイメージがあるかもしれませんが、足元の米国では主力の中古住宅需要は低調ですが、その影響で新築住宅需要が回復しています。その理由は、現状の高金利下で住宅を買い替えるとローンも組み換えとなり、以前に設定した低金利ローンを手放し、新たに高金利でローンを組み直す必要があるため、買い替えが激減し、中古住宅流通が細っているためです。中古住宅の在庫不足から、住宅を必要とする消費者は新築住宅市場で住宅を購入する必要に迫られ、新築住宅需要が急回復しています。日本の住宅関連メーカーは米国住宅市場でもプレゼンスを持っており、こうした需要の恩恵を受け、高金利下でも事業を拡大させています。
期間:2021年9月1日~2022年8月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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