半導体需要の回復が待たれる電機・精密セクター
POINT
- 過去2年間の電機・精密セクターの株価はTOPIXに大きく劣後
- 電機・精密セクターの業績は2024年度に向けて大幅回復予想
- 半導体や電子部品の世界的需要回復を期待
下図に見られるように、TOPIX-17電機・精密セクターのパフォーマンスは、過去2年間ではTOPIX(東証株価指数)に対して大きく劣後してきました。コロナ禍特需で盛り上がったPCやスマートフォンなどのデジタル需要が一巡し、同セクターを代表する半導体需要などが緩んだ影響が出ているものと見ています。今年前半は生成AI(人工知能)などへの期待で急騰する局面もありましたが、まだまだ期待先行であり、長くは続きませんでした。
一方、アナリスト予想によれば、2023年度から24年度に向けての業績動向では、全セクターの中で最も経常利益の増額が大きいセクターが電機・精密セクターとの予想になっており、来年度については、前述の生成AI期待だけでなく、幅広い半導体や電子部品などの需要回復を中心に、実態を伴った回復が予想されています。そうした回復が現実のものになれば、株価の回復も期待できるでしょう。
期間:2021年10月1日~2022年9月29日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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