深掘りETF①

ETFはどう作られるの?ETFの仕組み【深掘りETF①】

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投資家の皆さまが、ETFを取引所で手軽に売買できる裏には、ETFならではの複雑な仕組みが存在します。今回は、ETFの仕組みを解説いたします。

ETFの2つの市場

ETFには、一般の投資家の皆さまが取引所で売買する市場、流通市場とは別に、機関投資家等の大口投資家だけがETFを扱える発行市場と呼ばれる市場があります。

ETFの発行市場と流通市場

発行市場

機関投資家等大口の投資家の申し込みがあった際や流通市場でETFの需要が高まった際などに、指定参加者(証券会社)が株式または現金を運用会社へ拠出して、運用会社がETFの受益権を発行します。このことをETFの「設定」と言います。逆にETFを拠出して株式や現金を受け取ることを「交換(解約)」と言います。一般的に、ETFを売却する時に株式やREITなど現物の受け渡しを「交換」、現金のやり取りを「解約」と呼んでいます。

発行市場では、ETFは「基準価額」に基づいて取引されます。基準価額は、ETFに組み入れられている有価証券の時価評価に株式の配当金や債券の利息などの収入を加えた資産総額から、ETFの運用に必要な費用を差し引いた純資産総額を発行済口数で割って求められる1口あたりの値段です。基準価額については、ETFの3つの価格とは?で詳細を説明しています。

流通市場

発行市場で発行されたETF受益権は、取引所を介して売買できます。流通市場では、ETFを売買したい一般の投資家は証券会社へ注文を出し、証券会社はその注文を取引所へ取次ぎ売買が成立します。

流通市場では、ETFは「取引所価格」で取引されます。

ETFを取り巻くプレーヤー

一般の投資家からは見えないETFのしくみを支える「発行市場」には、重要な役割を担う3つのプレーヤーの存在があります。

運用会社

運用会社 ETFが対象指数に連動するよう組入れ銘柄を決定したり、運用指示を行ったりします。また、指定参加者を通じた設定・交換(解約)の申し込みに応じて、組入れ銘柄の内容を提示し、信託銀行に設定・交換の指示を行います。当社(野村アセットマネジメント)は運用会社です。

信託銀行

信託銀行ETFの資産の保管・管理を行ないます。ETFを発行することで集められた投資家の財産を運用会社に代わって管理しています。分別管理を行っており、万が一信託銀行が破綻しても投資家の資産は保全されます。

指定参加者

指定参加者大口投資家と運用会社との間で行う設定・交換(解約)の仲介や、市場での値付け(マーケットメイク)を行なう証券会社です。 東京証券取引所は、1つのETFに対して最低2社の指定参加者を決めることを上場の要件として求めています。


金融商品は形がないためイメージがつきにくい方も多いと思いますが、実はその裏側には様々なプレーヤーが介在し、一般の投資家の皆様に手軽にご利用頂ける商品として成り立っているのです。

(2018年12月作成)

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