中国景気回復の好影響を期待する素材・化学セクターの行方
POINT
- 素材・化学セクター株価は2022年前半までTOPIXをアンダーパフォーム
- 2022年は世界的景気減速懸念中で一進一退の展開
- 2023年は中国の経済正常化の恩恵を期待する
TOPIX-17シリーズの素材・化学セクターは、過去2年程度を振り返ると2022年前半まではTOPIX(東証株価指数)を大きく下回るパフォーマンスでした。素材・化学の中心的需要地である中国がゼロコロナ政策によって景気低迷に陥るとの警戒が重荷となっていました。
2022年3月初旬に安値を付けて以降は、欧米中銀による急ピッチな利上げが世界景気を悪化させるとの警戒も加わり、素材・化学セクターのパフォーマンスは冴えない展開が続きましたが、バリュエーションの割安さなどが支えとなり、一段の悪化は避けられたようです。
2022年終盤に、中国はゼロコロナ政策を撤廃し、経済活動の正常化が一気に進んでいます。また、懸案となっている不動産問題にも当局がテコ入れの姿勢を示し始めているなど、様々な方面から中国経済を下支えする政策が出始めており、今のところは香港株や中国本土株などが急上昇する形で、こうした変化を好感しているようです。こうした動きが続けば、近い将来、日本の素材・化学株も好感される段階が来るでしょう。
期間:2021年2月1日~2022年1月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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