新薬開発に期待をかけたい医薬品セクター
POINT
- 過去2年間の医薬品セクター株価はTOPIXにやや劣後
- 2023年の医薬品セクター株価は新薬開発中止の影響などで大きく低迷
- 2024年は大型新薬の開発動向に期待したい
下図に見られるように、TOPIX-17医薬品セクターのパフォーマンスは、過去2年間ではTOPIX(東証株価指数)に比べてやや劣後しました。2022年は景気ディフェンシブな特徴が活きて堅調な株価推移でしたが、2023年は新薬開発の中止を発表する企業が相次いだことを嫌気し、TOPIX-17業種の他16セクターの株価が2桁パーセントで上昇する中で唯一のマイナスリターンでした。
経常利益推移を見ても、2023年度は市場全体では10%程度の増益の達成が見込まれる中、医薬品セクターは10%程度の減益が想定されており、新薬開発の中止に伴う損失計上が大きく響いたようです。
一方、2024年度に目を転じると、各社の中長期成長性を大きく左右する可能性がある重要な新薬の臨床試験が進む予定となっており、試験経過や結果の成否によっては株価に大きなインパクトを与える可能性があります。新薬開発は2023年は裏目に出てしまいましたが、2024年は期待したいと思います。
期間:2022年1月4日~2023年12月29日、日次

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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