マーケット・アウトルック TOPIX17業種

TOPIXに対して急速にパフォーマンスが改善している自動車・輸送機セクター

POINT

  • 2022~2023年前半の自動車・輸送機セクター株価はTOPIXに対して劣後
  • 2023年後半からパフォーマンスが大きく改善、2024年は加速
  • 米国で日系メーカーが強いHV車やPHEV車の人気が高まりつつある

下図に見られるように、TOPIX-17自動車・輸送機セクターのパフォーマンスは、2022~2023年前半はTOPIX(東証株価指数)比で劣後していました。劣後していた主な原因は、コロナ禍で陥っていた部品不足などによる供給制約が長引き、業績回復が遅れていたことであると考えられます。一方、2023年後半からはパフォーマンスが急改善し、TOPIXに対しても優位なパフォーマンスとなりました。部品不足の解消で供給制約が改善、円安米ドル高も後押しし、業績が急回復したことが原因と思われます。

2024年に入って以降はパフォーマンスが一段と改善しています。昨年暮れ頃には2024年度の自動車セクターの業績見通しは「回復一巡」と見られていたものの、年初来の大幅な円安米ドル高が業績の押し上げ期待を高めたほか、米国市場でこれまで人気が高かったEV(電気自動車)に代わり、HV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の人気が高まりつつあることが、ハイブリッド系に強みがある日系自動車メーカー、特にトヨタグループの株価を押し上げ、全体を押し上げているものと思われます。ハイブリッド車への見直しが続けば、今後のパフォーマンスも期待できるでしょう。


期間:2022年5月2日~2024年4
月30日、日次

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(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1622)

当レポートは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。

野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト

阪井 徹史

Tetsuji Sakai

マーケット・アウトルック

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