欧米で金融システム不安が高まり、円相場が乱高下

昨年3月以降、日米金利差の急拡大などを背景に急ピッチで上昇してきた米ドル円相場ですが（円安米ドル高）、10月中旬に一時150円台に載せて以降は、円高米ドル安に反転し、その後水準を切り下げて一時は130円を割り込みました。

これまでの円安米ドル高の原動力になっていた日米の金融政策の違いに変化が見られ始めており、米インフレ動向が落ち着いてきたことで、12月にはFRB（米連邦準備制度理事会）が利上げペースを減速し始めたことに加え、日銀がこれまでの超金融緩和路線からの転換とも思われる政策修正を行ないました。その結果、米国債利回りに低下期待が、日本国債利回りに上昇期待が浮上し、日米の国債利回りなどの市場金利差の縮小期待が高まり、円高米ドル安が加速したと思われます。

3月中旬に米地域金融機関が突然の経営破綻となり、欧州でも大手金融機関の経営不安が浮上するなど、欧米で金融システム不安が急速に高まりました。市場はリスク回避的となり円高米ドル安が進行しましたが、政策当局の迅速な対応により、徐々に不安が和らぎ、米ドル円相場は落ち着きを取り戻しました。

期間：2021年4月1日～2023年3月31日、日次

（出所）ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。