米国株式市場は金融システム不安や半導体業界の明るい見通しに振られる展開
POINT
- S&P500は昨年10月半ばに2022年初来安値更新後、リバウンド傾向へ
- FRBが利上げペースを減速させ始める
- 3月は欧米の金融システム不安と半導体業界の見通し改善で乱高下
2022年初から調整を続けてきた米国株式は昨年10月半ばに年初来安値を付け、その後、大幅に反発し、一進一退を繰り返しながらも、足元では下値を切り上げつつあります。
10月中旬以降に大幅に反発した要因は、米インフレが落ち着いてきたことなどから、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペースが今後は減速するとの期待が急浮上し、実際に12月に減速させ始めたためです。そして、政策金利の引き上げが続いている一方で市場金利である米国債利回りが低下し、株式の債券に対する相対的な割高感が改善したことも株価反転上昇の材料となりました。
ところが、3月に入ると米地域金融機関が突然の経営破綻となり、欧州でも大手金融機関の経営不安が浮上したことで、株式市場は一気にリスク回避的になって急落しました。但し、欧米の政策当局による迅速な対応から次第に不安が和らぎ、市場に下げ止まりが見られ、更に半導体業界に明るい見通しが浮上したことで、ハイテク株などが急速に回復、足元にかけて戻り歩調を速めました。
期間:2021年4月1日~2023年3月31日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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