ゼロコロナ政策と景気浮揚政策の行方に注目
POINT
- 市場は昨年前半から大きく調整
- 一足早く調整局面から脱するか、政府の政策に注目
中国株式市場は昨年前半から大きく調整してきました。調整の主たる要因は、米中間の通商問題や中国企業の米株式市場上場問題、中国当局による大手企業への規制、不動産問題、そして、最近では、厳格なゼロコロナ政策による中国景気減速懸念が市場心理を冷やしていると考えています。6月から上海市の都市封鎖が解除されましたが、人々の活動は全面回復しておらず、今後も予断を許せません。
しかしながら、中国株式市場は世界の主要市場に先駆けて、一足早く調整局面から脱しつつあると見ています。これまでの下落要因であった米中対立、中国当局による大手企業への規制、厳格なゼロコロナ政策などに緩和方向の変化が見られ始めたためです。習近平主席は、コロナ対策と経済成長の両立について言及し始めており、これまでのように中国経済の足を引っ張り続けるリスクが緩和していると思われます。
中国については政府によるさじ加減一つで大きく変わってしまうことから、中国株式については予測しにくいファクターが多いのも事実ですが、現状路線で景気支援的な政策が進めば、企業にはプラスに働く可能性があるため、前向きな目線で観察しながら投資を検討していく方が賢明と考えています。
期間:2020年8月3日~2022年7月29日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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