ストラテジストのつぶやき~ETFで広がる投資戦略~

TOPIX-17業種の特徴と選び方

2026年3月5日作成

TOPIX-17業種は東証33業種を約半分に集約したもの

今回はTOPIX-17業種について、その特徴を考え、業種選択のヒントにつながるようなコラムにしてみました。

図表1は、TOPIX-17業種を内側に、東証33業種を外側に配置したもので、TOPIX-17業種が東証33業種を約半分に集約したものであることが分かります。また、図は時価総額に基づいて構成比を表示しています。

但し、業種のまとめ方には大きな差があります。例えば、TOPIX-17銀行は、33業種の銀行業のみで構成されている一方、TOPIX-17情報通信・サービスその他は、33業種の情報・通信業(通信企業など)、サービス業(人材関連企業など)、その他製品(ゲーム企業など)という、かなり異なった種類の業種をまとめています。前者のように、同じようなビジネスモデルの銘柄がまとまっている場合と、後者のように異なるビジネスモデルの銘柄がまとまっている場合では、業種選択の難易度に大きな差が生じると考えています。

[図表1] TOPIX-17業種と東証33業種の業種構成比

TOPIX-17業種と東証33業種の業種構成比

・各業種の構成比は時価総額(浮動株ベース)に基づく、2026年1月末時点
(出所)JPX(日本取引所グループ)のデータを基に野村アセットマネジメント作成

業種選択判断のカギは構成銘柄の値動きの同調性と業種としての判断のしやすさ

TOPIX-17業種の業種選択判断のカギについて、構成銘柄の業績や株価が同じような方向に動くのか否か(同調性)、および、業種としての判断のしやすさであると考えます。前述したTOPIX-17銀行とTOPIX-17情報通信・サービスその他で考えてみましょう。

TOPIX-17銀行を構成する銀行株は金利上昇期に総じてリターンが高い傾向にあるので、「金利上昇」というカタリスト(株価変動のカギとなる要素)が揃えば、「ほぼ全銘柄」の株価上昇要因となるので、同調性が高く、判断がしやすい業種と言えます。一方、TOPIX-17情報通信・サービスその他は、通信株や人材関連株、そして、ゲーム関連株などのバラエティに富んだ銘柄で構成されているため、各銘柄のカタリストが異なるために同調性が高いとは限らず、更に異なる多くのカタリストを調べる必要がある点でも判断がしにくい業種です。

図表2は各業種の上位10銘柄占有率などですが、占有率が9割程度あれば上位10銘柄が業種リターンを概ね決めるので、その10銘柄を分析すれば業種判断ができると考えます。10銘柄が銀行株のような状況にあれば同調性が期待でき、判断がしやすくもあります。こうした視点で業種として判断がしやすいと考える業種は、エネルギー資源、自動車・輸送機、鉄鋼・非鉄、電力・ガス、商社・卸売、銀行、金融(除く銀行)や不動産です。また、占有率は低いですが、建設・資材は銘柄が建設関連に集中しているので、同調性も高く、判断がしやすい業種と考えます。

一方、業種として判断がしにくいと考える業種は、素材・化学、電機・精密、情報通信・サービスその他、運輸・物流、小売です。医薬品は占有率が高いものの、カタリストが「新薬開発」であるなど各企業の個別性が非常に高いため、同調性が低く、業種としては判断がしにくいと考えます。

このように、業種として判断しやすい業種もあれば、難しい業種もあるというのが、TOPIX-17業種の特徴で、特徴を理解することで業種選択の助けになると考えています。

[図表2] TOPIX-17業種の上位10銘柄占有率と構成銘柄数

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時点:2026年1月末
(出所)JPX(日本取引所グループ)のデータを基に野村アセットマネジメント作成

年別騰落率を見ると、顕著に上昇している業種には特徴がある

最後にリターンを見てみましょう。図表3は、TOPIX-17各業種の年別騰落率の推移で、騰落率上位/下位3業種については業種名を表示しています。

注目したいのは年別の騰落率上位3業種です。

エネルギー資源、商社・卸売、自動車・輸送機、銀行、電力・ガス、金融(除く銀行)、鉄鋼・非鉄、不動産が上位3業種に登場していますが、前述した「同調性が高く、業種として判断しやすい業種」ばかりです。上昇上位ということは、何らかの理由で積極的に選好されたわけですが、判断しやすい業種ゆえに、カタリストが揃ったと投資家が判断した場合に積極的に選好された可能性が高く、このような結果になっているのだと考えています。もちろん、2021~25年というわずか5年間なので、サンプル・バイアスが出ている可能性は否めませんが、傾向自体は出ていると考えています。

判断がしやすい業種の中から、物色のカタリストがありそうな業種を選択できれば、投資が成功する可能性が高まるのではないでしょうか。

[図表3] TOPIX-17業種の年別騰落率の推移

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期間:2021年~2025年、年次
・各年毎の騰落率上位/下位3業種の業種名を表示している
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1618)
NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1619)
NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1622)
NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1623)
NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1627)
NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1629)
NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1631)
NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1632)
NEXT FUNDS 不動産(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1633)

(2026年3月5日作成)

野村アセットマネジメント

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