世界的景気減速や中国ゼロコロナ政策に一喜一憂
POINT
- 原油高騰の主要因は構造的な供給制約問題
- あまりに高いガソリン価格には消費者はついてこれず
- 当面の原油相場は世界景気と中国のゼロコロナ政策の影響を受けよう
※1ガロンは約3.8リッター、1ガロン=5米ドルは、1リッター=約182円(138円/米ドル換算)
上昇が続いていたWTI原油先物ですが、6月頃の120米ドル台をピークに、足元では大きく調整しています。原油相場上昇の最大の原動力は供給制約と考えており、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)などでネットゼロ(脱炭素社会)が叫ばれ、近未来の原油需要が大幅減少することが予想される中、原油産業が新たな設備投資を行なうことに躊躇し、老朽化設備の更新が滞ることなどを要因として供給制約に陥ったことなので、抜本的な解決は難しいと思われます。
一方、WTI原油先物の120米ドルは米ガソリン価格で1ガロンあたり5米ドル程度となり、高価格ゆえにガソリン需要が冷え込んだほか、世界的な景気減速や中国のゼロコロナ政策で原油需要が減少するとの警戒も加わり、足元では80米ドルを下回るまで下落しています。
今後については、需要サイドは世界的な景気減速や中国のゼロコロナ政策の影響を大いに受けると思われ、当面はこれらの材料に一喜一憂しそうです。一方、供給制約については根本的な問題は変わっていませんが、イランなど、政治的な理由で原油供給ができないでいる産油国の動向に注意が必要です。これらの国々から原油が輸出されるようになれば、原油需給に大きな影響を与える可能性があります。
期間:2020年12月1日~2022年11月30日、日次

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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