低PBR銘柄の宝庫である銀行株に投資機会はあるのか?
POINT
- 銀行株に代表される金融株は低PBR銘柄の宝庫
- 昨年暮れ以降の銀行株は日銀の緩和政策修正を期待
- 足元では低PBR企業の経営改革期待も加わる
東京証券取引所はTOPIX(東証株価指数)プライム市場に上場する企業のうち、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る企業に対して、株価や資本コストを意識した経営をするように要請しています。TOPIX構成銘柄のうち、PBRが低位である200銘柄の内訳を見ると、6月23日時点では時価総額ウェイトで約57%が銀行株を主とする金融株で占められています。銀行株は低PBR銘柄の宝庫です。
一方、株価パフォーマンスを見ると、銀行株は昨年暮れ以降に市場全体であるTOPIXを大きく上回って上昇しています。きっかけは、昨年12月に日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の変動幅を拡大したことで、近い将来に日銀がYCCを撤廃するのではないかとの期待が高まったためです。
足元に目を転じると、3月には欧米で金融システム不安が浮上したことでスピード調整する局面もありましたが、その後は切り返して上昇基調に戻っています。足元の上昇は、低PBR銘柄の経営改革期待などが後押ししているものと見られ、銀行株はYCC撤廃と企業改革という2つの期待を追い風に上昇基調が続きそうです。
期間:2021年7月1日~2022年6月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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