
懸念材料がめじろ押しの中国株式市場
POINT
- 工事中断などの住宅問題やゼロコロナ政策、電力不足などが重荷に
- 住宅問題に政府がテコ入れを開始
- 共産党大会と新たな指導体制に注目
中国株式市場は、昨年前半から大きく調整してきました。主要因は、米中間の通商問題、中国当局による大手企業への規制、マンション工事中断に揺れる住宅問題、そして、上海都市封鎖などに見られる厳格なゼロコロナ政策などによる中国景気減速懸念でしたが、住宅問題以外については徐々に改善の兆しが見られており、5~6月には一旦は他市場に先駆けて戻り相場に入ったと見られました。
しかし、ここへきて「台中問題」や「渇水による電力不足問題」という新たな問題が浮上してきた上、住宅問題が予想以上に根深いことや、先が見えない厳格なゼロコロナ政策への警戒から、人民元売りが続くなど、中国からの資金流出懸念が台頭し、再び下げ足を速めています。
このように、中国株式市場は懸念材料がめじろ押しであり、投資家が動きにくい状況にあります。しかし、10月中旬から5年に一度の共産党大会が開催され、新たな指導体制に刷新される予定です。新体制後に、こうした様々な問題に適切な対応がなされるか否かに注目が集まることが予想されるので、新体制の顔触れや政策転換があるか否かを見守る必要がありそうです。
期間:2020年10月1日~2022年9月30日、日次
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
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野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト
阪井 徹史
Tetsuji Sakai
マーケット・アウトルック
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