深掘りETF⑤
子が親に投資する!?ファミリーファンド方式とは?【深掘りETF⑤】
この記事は、約5分で読めます
ETFは、一般的に株式や債券、REIT、先物などに直接投資していますが、中にはマザーファンドと呼ばれる投資信託に投資するタイプがあります。こうしたマザーファンドに投資するETFや投資信託をベビーファンドと呼び、この仕組みをマザー(親)ファンドとベビー(子)ファンドの関係にちなんで、「ファミリーファンド方式」と言います。
ファミリーファンド方式の仕組み
NF・外国株ヘッジ無ETF(2513) は、日本円換算したMSCI-KOKUSAI指数への連動を目指すETFですが、投資対象は「外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンド」です。 「外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンド」には、このETF以外にも、公募のインデックスファンドやバランス型ファンド、DC(確定拠出年金)専用のインデックスファンド等、複数のベビーファンドが投資しています。そして、マザーファンドは、これらベビーファンドが投資する資金を一括して外国の株式に投資しています。
(出所)野村アセットマネジメント作成 ※上記はイメージ図です。ベビーファンドが外国株式に直接投資する場合もあります。
ファミリーファンド方式で運用するメリット
このようなファミリーファンド方式で運用するメリットとして、以下の点が挙げられます。
■連動精度の高い運用
上述の通り、ファミリーファンド方式で運用するETFは、マザーファンドがベビーファンドの資金を一括して、株式などの個別銘柄へ投資するため、たとえ残高が少なくても、指数への連動精度が高い運用が可能になります。
■低コスト化
マザーファンドで資金をまとめて運用することにより、規模のメリットを活かし、運用管理の効率化や売買コストの削減効果が期待できるため、信託報酬以外の実質的な運用コストの低減につながります。なお、ファミリーファンド方式のマザーファンドは、ベビーファンドと同一の運用会社の投資信託となり、信託報酬はベビーファンドのみで徴収されます。
ETFを選ぶ際は、純資産総額や信託報酬率だけでなく、ファンドの仕組みや実質的なコストにも注目するとよいでしょう。
(2023年2月6日更新)