高配当とリターンを合わせて狙う。エネルギー資源ETF

「エネルギー」といっても、電気、ガス、原油、クリーンエネルギーなど多種多様ですが、本稿では石油、石炭のような「エネルギー資源」に注目したNF・エネルギー資源(TPX17)ETF(証券コード:1618)の特徴を解説します。

資源価格が上昇した際に恩恵を受けるエネルギー資源株ですが、一般的に成熟した業界であるため、配当利回りが高い傾向にあります。ETFでエネルギー株に投資することで、安定した分配金利回りを享受しつつ、資源高の局面でのキャピタルゲインも期待できるのではないでしょうか。

石油や石炭の需要の見通し

化石燃料である石油や石炭は産業革命以降、世界のエネルギー需要を支えてきました。地球温暖化等を背景に再生可能エネルギーへのシフトが進んでいることは事実ですが、新興国のみならず、先進国にとっても日々の経済活動において重要な資源です。グローバルでの需要量について、石油は2030年まで高まり、その後需要が減少する見通しです。石炭は2023年以降、需要が減退する予想です。

【図表1】 グローバルの石油、石炭の需要量の推移

グローバルの石油の需要量の推移グローバルの石炭の需要量の推移

予想はIEAのStated Policies Scenario (STEPS:現行政策に基づいたシナリオ)を基に作成。

(出所)IEA「World Energy Outlook 2024」のデータを基に野村アセットマネジメント作成

TOPIX-17 エネルギー資源指数とは?

NF・エネルギー資源(TPX17)ETFは、TOPIX-17 エネルギー資源(配当込み)指数への連動を目指して運用されているETFです。

TOPIX-17 エネルギー資源指数とは日本株市場全体の動向を表す代表指数であるTOPIXの構成銘柄のうち、鉱業と石油・石炭製品に分類される銘柄より構成される株価指数です。

TOPIX-17 エネルギー資源指数の構成銘柄を見てみましょう。2025年5月末時点では12銘柄で構成されています。また、上位3銘柄であるENEOSホールディングス、INPEX、出光興産の組み入れ比率は3/4以上を占めています。

【図表2】 TOPIX-17エネルギー資源指数の構成銘柄

銘柄名組入比率
1ENEOSホールディングス39.2%
2INPEX31.2%
3出光興産14.4%
4コスモエネルギーホールディングス7.6%
5石油資源開発2.9%
6日鉄鉱業1.5%
7ニチレキグループ1.0%
8K&Oエナジーグループ0.7%
9住石ホールディングス0.4%
10ユシロ0.4%
11日本コークス工業0.3%
12富士石油0.3%

2025年5月末時点

(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

指数のパフォーマンスを見ると、コロナ禍のような資源価格が暴落した時はエネルギー資源関連銘柄の株価も影響を受けました。景気回復期に入り、経済活動が活発になるにつれエネルギー資源の需要が拡大し、株価も上昇していることがわかります。実際、TOPIXと比較して2020年はマイナス30%近く落ち込んだのに対し、2021年以降はTOPIXを大きくアウトパフォームしています。

【図表3】過去5年間の指数パフォーマンス

過去5年間の指数パフォーマンス

期間:2020年5月末~2025年5月末、月次
※配当込み指数を使用。「コロナ禍」は世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発表・終了した2020年1月~2023年5月までと定義。

(出所)野村アセットマネジメント

【図表4】 暦年パフォーマンス

暦年パフォーマンス

※配当込み指数を使用。

(出所)野村アセットマネジメント

高い配当利回りが魅力!

石油・石炭などのエネルギー資源業界は成熟市場であるため、一般的に企業の配当利回りが高い傾向にあります。よって、TOPIX-17の指数別の配当利回りの過去10年、および5年平均を見ると、TOPIX-17 エネルギー資源指数の利回りが、過去5年では最も高い結果になりました。また、過去10年の平均値でも業種別2位の結果でした。

【図表5】 指数の配当利回り(単位:%)

指数の配当利回り(単位:%)

期間:2015年6月末~2025年5月末、月次

(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

NF・エネルギー資源(TPX17)ETF(1618)をチェック!

【図表6】商品概要

銘柄コード1618
銘柄名(愛称)NF・エネルギー資源(TPX17)ETF
銘柄正式名称NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信
連動対象指数TOPIX-17 エネルギー資源(配当込み)
純資産総額

9億円

信託報酬率年0.352%(税込)
決算日7月15日(年1回)
売買単位1口
最低投資金額1口、19,000円前後
NISA成長投資枠の対象

2025年5月末時点

(出所)野村アセットマネジメント

個別株でエネルギー資源セクターに投資をするとなると、企業の業績やビジネス概況など、念入りな調査が必要となりますが、本ETFを活用することで日本のエネルギー資源セクターに1銘柄でまるごと分散投資が可能です。

石油・石炭などの化石燃料の需要は今後も続く見込みです。安定した分配金利回りを狙いながら、エネルギー資源セクターの見通しに応じたETFの機動的な売買など、本ETFをご活用いただければ幸いです。

最新の情報は、以下の銘柄詳細ページでご確認ください。

NEXT FUNDSエネルギー資源(TOPIX-17)上場投信(1618)

業種別ETFシリーズの種類や特徴はこちら:業種別ETFで自分流の投資を極める!

記載されている個別の銘柄については、参考情報を提供することを目的としており、特定銘柄の売買などの推奨、また価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

(2025年6月26日作成)

野村アセットマネジメント

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