景気減速時には医薬品セクターに期待。医薬品ETF

医薬品株の特徴

そもそも、医薬品(ヘルスケア)セクターとはどのような特徴を持っているのでしょうか?

経済・景気と株価の連動性は業種や銘柄によって異なります。医薬品はディフェンシブ銘柄の代表的な業種の1つと言われています。景気が減速期~停滞期でも、商品やサービスへの実需が落ち込みにくく、企業の業績も比較的安定している傾向にあるからです。言い換えると、株価下落局面や景気の先行きが不透明である時に、堅調なパフォーマンスを期待して注目されるのが医薬品セクターとなります。

過去10年間のTOPIX-17医薬品指数とTOPIXのEPS(1株当たり利益)を見ると、医薬品セクターはTOPIX(市場全体)と比較してEPSが安定的に増大しており、また、株式市場が乱高下している2025年はTOPIXを上回る伸びとなる予想です。

【図表1】過去10年間のEPS推移

過去10年間のEPS推移

期間:2015年~2025年、年次(2025年はBloombergの予想値を使用)

(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

個別の医薬品株の株価は、新薬への期待、研究開発の取り組みなどが色濃く評価・反映される傾向にありますが、新薬への取り組みを予測することは一般的に難しく、気づいたときには株価に反映されているケースが多くあります。個別株を調査し、企業のビジネス予測を立てて売買するには手間も時間もかかりますが、ETFを活用することで銘柄を限定せずに医薬品セクターに手軽に分散投資することができます。

TOPIX-17 医薬品指数とは?

TOPIX-17 医薬品指数とは日本株市場の動向を表す代表指数であるTOPIXに含まれる銘柄を17の業種に分類したうちの、医薬品セクターの動向を表す指数です。

2015年、2020年、2025年の4月末時点の指数の構成上位10銘柄の遷移を定点で見てみましょう。組入比率が最も高い武田薬品工業のほか、第一三共、中外製薬、大塚ホールディングス、アステラス製薬などが変わらず上位に入っており、大手製薬会社が安定的に日本の医薬品セクターを牽引してきたといえます。

【図表2】過去10年間の構成上位10銘柄の遷移(5年毎)

過去10年間の構成上位10銘柄の遷移(5年毎)

2025年、2020年、2015年の4月末時点

(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

2025年4月末時点の上位5銘柄をご紹介します。日常生活において、多くの人が一度は耳にしたことのある企業名ではないでしょうか。○○製薬と聞くと、文字通り「製薬業」のイメージを持たれると思いますが、大手医薬品企業の事業は多角化されてきています。

【図表3】 TOPIX-17 医薬品指数の構成上位5銘柄の企業概要

銘柄コード銘柄名企業概要

4502

武田薬品工業

医薬品の研究開発、製造、販売、輸出に従事。腫瘍、消化器系、中枢神経系疾患の治療分野に注力。

4568

第一三共

三共および第一製薬を傘下に設立された持株会社。国内外で医療・一般・ 動物用の医薬品や医療機器の製造および販売を行う。欧州や米国、アジア、南米の関連・子会社を拠点に、研究開発を進め、現地での販売を促進。また、食品や添加物、飼料、農薬、化学製品の製造ならびに試験研究の受託、不動産の賃貸を行う。

4519

中外製薬

医薬品の製造販売を行う。当事業は、がん、感染症、骨、血液、循環器、その他の領域の医薬品の研究、開発、製造、販売および輸出入を展開。

4578

大塚ホールディングス

医療関連事業を行うグループ会社を管理・経営。ヘルスケア事業を中心に、国内外で、医薬品事業及びニュートラシューティカルズ事業を展開。

4503

アステラス製薬

製薬会社。泌尿器学、器官移植や感染症を含む免疫学、腫瘍学、神経科学の各分野、および糖尿病合併症や代謝性疾患に対する治療を手掛ける。米国、欧州、アジアの子会社を通じて、処方薬の研究開発、製造、販売に従事する。

2025年4月末時点

(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

指数のパフォーマンスを見ると、過去10年間の累積リターンはTOPIXに及びませんが、2015年半ば~2016年、2018年半ば~2021年初頭、2022年半ば~2023年初頭などTOPIXをアウトパフォームしている時期もありました。TOPIXが大きく下落する局面で、TOPIX-17医薬品指数は力強いパフォーマンスを見せています。一方で、TOPIXが大きく上昇する局面では、TOPIX-17医薬品指数の上昇率はTOPIXには及ばない傾向にあります。

【図表4】 過去10年間の指数パフォーマンス(2015年4月末~2025年4月末、月次)

過去10年間の指数パフォーマンス(2015年4月末~2025年4月末、月次)

TOPIX-17 医薬品とTOPIXは配当込み指数を使用。

(出所)野村アセットマネジメント

次に、暦年ベースでみると、2015年、2019年、2022年はTOPIXをアウトパフォームする結果でした。ETFの機動的に売買できる特徴を活かして、医薬品セクターへの見通しに応じてスポットで売買することもできます。

【図表5】 過去10年間の暦年パフォーマンス

過去10年間の暦年パフォーマンス

TOPIX-17 医薬品とTOPIXは配当込み指数を使用。

(出所)野村アセットマネジメント

NF・医薬品(TPX17)ETF(1621)をチェック!

【図表6】商品概要

銘柄コード1621
銘柄名(愛称)NF・医薬品(TPX17)ETF
銘柄正式名称NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信
連動対象指数TOPIX-17 医薬品(配当込み)
純資産総額

44億円

信託報酬率年0.352%(税込)
決算日7月15日(年1回)
売買単位1口
最低投資金額1口、27,000円前後
NISA成長投資枠の対象

2025年4月末時点

(出所)野村アセットマネジメント

当ETFの組入銘柄は2025年4月末時点で34銘柄となっていますが、これらすべてに個別株で投資する場合、約913万円かかります。

しかし、当ETFであれば2.7万円前後で34銘柄にまとめて投資が可能です。NISAの成長投資枠を活用し、非課税で投資することができます。

ETFを活用した、セクター投資は国内外の金融機関も行う投資手法です。個別銘柄でセクター投資を行うよりも、各銘柄のリサーチにかける時間が短縮でき、特定セクターの現況や見通しを確認することで、ETFではまるごと投資が可能です。また、少額からセクター投資を行うことができる点もETFの魅力でしょう。

本ETFやTOPIX-17業種シリーズETFを「自分流のセクター投資」にご活用いただければ幸いです。

最新の情報は、以下の銘柄詳細ページでご確認ください。
NEXT FUNDS医薬品(TOPIX-17)上場投信(1621)

業種別ETFシリーズの種類や特徴はこちら:業種別ETFで自分流の投資を極める!

記載されている個別の銘柄については、参考情報を提供することを目的としており、特定銘柄の売買などの推奨、また価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

(2025年6月9日作成)

野村アセットマネジメント

ETF投資家が知っておくべきETFの仕組みや選び方、またETFの投資家動向などの最新情報について分かりやすく解説します。

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