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ファイナンシャルプランナーが伝授する資産形成・資産活用としての株式投資(第5回)

パン作りで学ぶ世界経済とGDP入門【資産形成⑤】

この記事は、約3分で読めます

「GDPの成長が鈍化している」「アベノミクスでは2020年頃に名目GDPを600兆円にするといった目標が打ち出された」等、経済ニュース等で「GDP」という表現を目にされる機会は多いと思います。

ところで、GDPとはいったい何でしょうか?

本日はGDPと株式投資のリターン(利回り)の源泉となる経済活動(ビジネス)についてご説明していきます。

パン作りからGDPを理解する

一般的に、会社員の方であれば給与所得という形で、個人事業主の方であれば事業所得という形で、収入を得ていらっしゃる方が多いと思います。そして、その収入から家賃を払い、食べ物や洋服を買い、そして携帯電話やスマホの通信料金を払う等して、生活されているのではないでしょうか。

ところで、食べ物を買うことができるのは、それらを販売しているお店があるからで、そのお店は販売する食べ物を自分で作るか、どこからか仕入れることで販売しています。

それではここで、こうした経済活動について、「小麦からパンを作る」というシンプルな「パン作りの経済」を考えてみることにしましょう。

「パン作りの経済」に登場するのは、

    1. 小麦農家
    2. 製粉業者
    3. パン工場
    4. 石油

の4つです。

ここでいう石油は、経済活動を行うにあたり必要となってくるエネルギーのイメージです。水道光熱費と考えて頂いた方がイメージしやすいかもしれません。

次の図をご覧ください。

etf_25_img01.png

まず左端が小麦農家です。小麦農家は、自ら小麦畑を耕すことで小麦を栽培します。作った小麦を製粉業者に10という価格で販売し、お金を10受け取ります。ただし、栽培する過程で、エネルギーとして石油が5必要だったため、小麦農家の稼ぎは以下のようになります。

小麦(10) ― 石油(5) = 稼ぎ<付加価値>(5)

次に、製粉業者は小麦農家から小麦を10で仕入れ、小麦粉に製粉してから、パン工場に40で販売します。このプロセスで石油が10必要だったため、製粉業者の稼ぎは以下のようになります。

小麦粉(40) ― 小麦(10) - 石油(10) = 稼ぎ<付加価値>(20)

さらにパン工場は、製粉業者から小麦粉を40で仕入れ、パンを作って、世の中の人たちに100でパンを販売します。石油は25必要だったため、以下となります。

パン(100) ― 小麦粉(40) ― 石油(25) = 稼ぎ<付加価値>(35)

このように、小麦農家、製粉業者、パン工場が経済活動を行うことにより、世の中に稼ぎ<付加価値>が生み出されました。

この<付加価値>の総額こそが、経済の言葉でGDP(Gross Domestic Product)と呼ばれているもので、日本語では国内総生産と呼ばれています。

GDPは個人、企業、政府に分配される

これまでの経済活動を表にまとめてみると次のようになります。

etf_25_img02.png

上の表で、製粉業者の欄を見てください。製粉業者は小麦粉40を生産したわけですが、そのために小麦10を仕入れ(「中間投入」と呼ばれます)、さらに石油10を使うことで、最終的な稼ぎ<付加価値>20を生み出すことに成功しているわけです。

さてここで、この製粉業者が株式会社として運営されていたと仮定します。従業員に賃金(お給料)12を支払うと、その会社には、付加価値20から従業員賃金12を差し引いた残りである8が儲け(利益)として残ることになります。パン工場も同様に株式会社と仮定して、従業員に賃金23を支払い、企業には12の儲けが残ります。

一方、小麦農家は個人事業主だったとすると、生み出した付加価値はその農家本人が所得として獲得することになります。

このように、生み出された付加価値であるGDPは、個人(賃金として支払われる)と企業(株式会社に利益として残る)のいずれかに分配されます。そしてさらに、個人であれば所得税が、企業であれば法人税がそれぞれ課税されますので、個人や企業の所得の一部は税金という形で政府に分配されることになります。

ここで、政府の税率を一律20%として、再度整理してみると、以下のようになります。

etf_25_img03.png

今回はパン作りを例に取り上げていますが、例えば、自動車メーカーであれば、鉄やゴムなどの素材を提供する人、それらの素材を使って自動車部品に仕立てる人、そして自動車部品を組み立てて自動車を製造し販売する人、のように同じような形で想像できると思います。また、製造業はもちろんですが、グーグルやフェイスブックなどのIT企業といったサービスを提供している企業であっても、同じような仕組みで考えることができます。

いかがでしょう。普段みなさんが行っている「経済活動」と「GDP(と呼ばれる世の中に生み出された商品やサービスといった付加価値の総和)」の関係のイメージがつかめたでしょうか。つまり、みなさんが普段お仕事をされることで、会社もしくは個人事業主として、商品やサービスという形で世の中に生み出した付加価値の合計がGDPというわけです。

次回は日本や世界のGDP、そして株式投資の意味についてもう少し詳しく考えてみたいと思います。

(2019年2月作成)

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