深掘りETF⑫
信託報酬率の段階料率とは?【深掘りETF⑫】
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ETFを保有している間にかかるコストとして、運用管理費用(信託報酬)や指数の商標使用料や上場費用等があることは、「ETFの費用と税金」でお伝えしました。今回は、信託報酬の中でも、純資産総額の増加に応じて信託報酬率が低下する料率体系である「段階料率」について、ご説明します。
NEXT FUNDSで段階料率を採用しているETFは、以下の2銘柄です。
・NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(以下「NF・TOPIX ETF」)(銘柄コード:1306)
・NEXT FUNDS 日経300株価指数連動型上場投信(以下「NF・日経300ETF」(銘柄コード:1319)
NF・TOPIX ETFで採用する信託報酬率の段階料率は、図表1のように、純資産総額に応じて適用される信託報酬率が異なります。 具体的には、純資産総額のうち、5兆円以下の部分に税抜年0.088%、5兆円超10兆円以下の部分に税抜0.060%、10兆円超の部分に税抜0.039%がそれぞれ適用されます。
【図表1】純資産総額に応じた信託報酬率の配分
図表2は、信託報酬率の段階と純資産総額に応じた信託報酬率を図にしたものです。
純資産総額の増加にともない信託報酬率が低減しているのが、おわかりいただけると思います。
【図表2】信託報酬率の段階と純資産総額に応じた信託報酬率(税抜年率)
図表3は、純資産総額に応じて適用される信託報酬率を、図表4はその計算式を表しています。例えば、NF・TOPIX ETFの純資産総額が16兆円の場合(2022年6月末時点の純資産総額は約16兆円)、その時点(※)に適用される信託報酬率は、0.061%となります。
※信託報酬の算出に用いる純資産総額は、原則として翌営業日の信託報酬算出に用いられます。(例:6月30日の純資産総額は、7月1日に適用)
【図表3】純資産総額あたりの信託報酬率(税抜年率)
【図表4】段階料率の計算式
このように段階料率を採用している信託報酬率は、純資産総額の増加に応じて信託報酬率が低下していくため、受益者にとっては利便性が高まる一方で、どのくらいの信託報酬率が適用されたのかわかりにくい欠点もあります。
そこで、NEXT FUNDSでは段階料率を採用しているETFについて、月末時点の純資産総額に応じた信託報酬率の水準を、翌月初にNEXT FUNDSサイトで公開しています。
ぜひご活用ください。
(2022年7月更新)